新型コロナウイルスの変異株が猛威を振るうなか、東京五輪・パラリンピックが2021年7月23日に開幕する。東京株式市場は週後半から祝日が続くため、取引は3営業日と限られる。翌週(7月最終週)には、企業の4~6月期決算の発表が本格化することもあり、様子見ムードが強まりそうだ。
どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 取引は3日間
日経平均株価予想レンジ:2万7400円~2万8800円
2021年7月16日(金)終値 2万8003円08銭
今週の東京株式市場の日経平均株価は、様子見気分の強い取引か。
前週の日経平均株価は、小幅反発した。週前半は米国株の上昇を受け、大きく値を戻したものの、週末にかけて軟調な展開が続いた。東京を中心に新型コロナウイルスの感染拡大が続いていることが、相場の重しとなった。
今週の日経平均株価は、様子見気分の強い展開となりそうだ。週末23日からの東京オリンピック開幕を控え、22日が海の日、23日がスポーツの日の祝日となり、取引は3日間に限られる。
東京オリンピック直前に新型コロナウイルスの感染が拡大していることもあり、週末の連休に向けて手仕舞売りも予想される。米国株も米経済指標に濃淡が見られ、一本道の上昇は難しそうで、神経質な動きとなりそうだ。
東京外国為替市場 米長期金利の上昇期待は後退か
ドル・円予想レンジ:1ドル=109円00銭~111円00銭
2021年7月16日(金)終値 110円08銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルの上値が重い展開か。
前週のドル円相場は、ドルが弱含みとなった。米国の経済指標の改善を受け、ドル買いが優勢となる局面も見られたが、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が議会証言で、「経済が金融緩和の縮小の条件を満たすのは、ほど遠い」との見方を示したことで、米長期金利上昇期待が後退し、ドル売りが優勢となった。
今週のドル円相場は、ドルの上値が重い展開となりそうだ。米国の長期金利の上昇期待が後退していることに加え、米国の経済指標も改善と悪化が入り混じっている。加えて、世界的に新型コロナウイルスの変異株の感染が拡大しており、ドルの弱材料となっている。ただ、積極的にドルを売り込む材料にも乏しく、相場はレンジ内の取引となりそうだ。
経済指標は、国内では20日に6月の全国消費者物価指数、21日に日本銀行の金融政策決定会合議事要旨(6月17日~18日分)、6月の貿易統計などが予定されている。
海外では、20日に米国の6月の住宅着工件数などが予定されている。
(鷲尾香一)