東京外国為替市場 米長期金利の上昇期待は後退か
ドル・円予想レンジ:1ドル=109円00銭~111円00銭
2021年7月16日(金)終値 110円08銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルの上値が重い展開か。
前週のドル円相場は、ドルが弱含みとなった。米国の経済指標の改善を受け、ドル買いが優勢となる局面も見られたが、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が議会証言で、「経済が金融緩和の縮小の条件を満たすのは、ほど遠い」との見方を示したことで、米長期金利上昇期待が後退し、ドル売りが優勢となった。
今週のドル円相場は、ドルの上値が重い展開となりそうだ。米国の長期金利の上昇期待が後退していることに加え、米国の経済指標も改善と悪化が入り混じっている。加えて、世界的に新型コロナウイルスの変異株の感染が拡大しており、ドルの弱材料となっている。ただ、積極的にドルを売り込む材料にも乏しく、相場はレンジ内の取引となりそうだ。
経済指標は、国内では20日に6月の全国消費者物価指数、21日に日本銀行の金融政策決定会合議事要旨(6月17日~18日分)、6月の貿易統計などが予定されている。
海外では、20日に米国の6月の住宅着工件数などが予定されている。
(鷲尾香一)