東京メトロ株の売却で国と東京都が合意 「三方一両損」 その結果は......

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東京メトロ、有楽町線延伸などの整備に前進

   これまで東京メトロは、財務状況を考慮して2008年に開通した副都心線を最後に、新線の建設には主体的に関わらない方針を示していた。有楽町線の延伸などの2路線の建設費は計2400億円程度と報じられているが、今回の合意を受けて国と東京都が建設費を財政支援することになり、東京メトロは従来の方針を変更して新線整備に踏み出すことを表明した。

   今回の合意は、国、東京都、東京メトロがそれぞれ譲歩をしながらも、結果として丸く収める「三方一両損」だったと言えよう。国は新線を支援するための費用は必要となるが、株式売却の実現に向けて目途を立てた。

   東京都は株式売却で東京メトロへの影響力は低下するが、新線建設を確実にした。東京メトロは新線建設を呑む形になったが、株式が売却されれば国と東京都の影響力は低下して経営の自由度は増す。

   東京メトロの上場時期は未定だが、政府が大株主となっている企業が上場するのは、2016年のJR九州以来となる。(ジャーナリスト 白井俊郎)

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