新型コロナウイルスの感染が猛烈に広がるなか、東京五輪・パラリンピックの開幕まで1週間に迫った。海外メディアの中には「ゴジラ変異株の誕生か!」とまで危機感を募らせるところもある。
しかし、外国選手団らの入国ラッシュがピークを迎えるにつれ、水際対策のザル状態が明らかになってきた。感染防止対策の要である「バブル方式」が崩壊しているのだ。
大丈夫か、ニッポン!
「能天気」バッハ会長に「嘘つき!」の罵声
IOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長がいかに能天気な人物か――。主要メディアの報道をまとめると、2021年7月13日、久しぶりに橋本聖子・大会組織委員会会長に再会した時、
「今、最も大事なのはチャイニーズピープル(中国人)の安全安心...」
と、日本人を中国人と言い間違えた。すぐに、「ジャパニーズピープルの安全安心」と言い直したのだ。
「どこの国で五輪を開いているつもりなのか」
と、多くの日本人を呆れさせた。その翌14日、菅義偉首相と会談した時は、こんな驚くべき発言をしたという。
「コロナの感染状況が改善した際には、ぜひ観客を入れてほしい」
誰かこの人物に日本の感染状況を教えている人物がいないのか。さすがに首相官邸もこのやりとりをなかったことにしたが、TBSがスクープ。7月15日夜に報道した。報道陣の取材に応じた組織委幹部は、こう嘆息した。
「バッハ会長の要望は大変に厳しい。検討もしていない」
と、完全否定したのだった。
こんなバッハ会長だから翌15日、小池百合子・東京都知事と会談した時もハプニングが勃発した。小池都知事に誕生祝いの花束を贈った時、報道陣の近くから大きな罵声が飛び、会場が凍り付いた。英語だった。
「Bach! You are liar! Airport is dangerous! Bubble is broken!」(バッハ、お前は嘘つきだ! 空港は危険だぞ! バブル方式は破綻した!)といった内容だった。
「自称ジャーナリスト」の男で、数人の警備員にすぐにつまみ出された。スポーツ各紙によると、これまでも何度か都庁でトラブルを起こしている人物だという。