【再投資1本目】今回は、東証マザーズに上場する、医療従事者向けのサービスを展開するケアネットを分析しようと思います。
新型コロナウイルスの感染拡大が止まないなか、医師や看護師の負担は大きく、重くなるばかりです。そんな医療従事者向けサービスの提供はますます重要、かつ需要も少なくないと考えました。業績も伸びています。
ケアネットの2つのセグメントと成長性
ケアネットの売上高は2つのセグメントによって構成されています。1つ目が医薬営業支援サービス、2つ目が医療コンテンツサービスです。医薬営業支援サービスでは「MRPlus」、「スポンサードWebコンテンツ制作」というサービスを通じて、製薬企業の営業担当であるMRの生産性向上を支援し、製薬会社からサービス収入を得ています。
そして、医療コンテンツサービスでは医師・医療従事者に対し、医療教育コンテンツを有料で販売して収益を得ています。医薬営業支援サービスと医療コンテンツサービスの売上高構成比率は約9:1となっており、医薬営業支援サービスがケアネットの主な収益源となっています。
ケアネットの主要顧客である製薬会社は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により従来の営業スタイルから、インターネットを通じたプロモーション活動やリモートワークによる営業活動に切り替える必要性に迫られました。また、大型薬のパテント切れや薬価制度の変更、ジェネリク医薬品の普及などにより従来から厳しい営業環境が続いています。
こうした複合的な要因を受けて、製薬企業の営業活動を支援するケアネットのサービスの需要が増加し、2020年12月期の決算では大幅な増益を記録しました。売上高は前年同期比62.3%増、営業利益率も前年同期比149.3%増となっています。
さらに、同社は今後の成長性を支える指標として医師会員数の増加を重視しています。医師会員を増やすことができれば、その分製薬会社との接点を増やすことができ、サービス収入を増やすことができるからです。
これまでケアネットは、質の高い医療情報の提供を通じて着実に医師会員数を伸ばしており、また、現医学部生に医療教育コンテンツを無料で提供していることもあり、今後もケアネットの会員数は増加するだろうと考えています。
2021年2月10に会社側が公表した通期業績予想も、2021年5月13日に上方修正され、ケアネットの力強い成長を裏付ける結果となっています。
今週は日本株の上場投資信託(ETF)の決算が集中し、ETFの分配金を捻出するために運用会社が出す売りで日本株の上値は抑えられていましたが、これはあくまで一時的な要因であり、来週からは再び相場は息を吹き返すと考えています。
以上の投資判断を持って7月9日の初値でケアネットの株式を100株取得したいと思います。
ケアネット(2150)
年初来高値(2021年6月18日) 1万60円
年初来安値(2021年3月 5日) 2870円
購入時の株価(2021年7月9日) 7110円
取得株数 100株