世界中で「五輪離れ」が加速か?
東京五輪・パラリンピックの開催が間近に迫るなか、世界中で多くの人々が「開催に反対」しているとする世論調査の結果が発表されて話題になっています。この調査では、東京五輪への関心が低いことが浮き彫りになるなど、「五輪離れ」の傾向が現れています。
人々の関心が薄れても、パンデミックで人命の危機が高まっても、ひたすら「プランBはない」と強行策に突っ走るIOC(国際オリンピック委員会)ら五輪関係者たち。米ワシントン・ポスト紙は「IOCの強欲ぶりは金メダルだ」と皮肉たっぷりに報じています。
世界中の57%が開催に反対
フランスの大手調査会社イプソスが、世界の28か国で実施した東京五輪に関する世論調査の結果を発表し、57%が開催に反対していると明らかにしました。
Olympics-Global interest in Tokyo Games muted - Ipsos poll
(イプソスの世論調査で、東京五輪への世界的な関心はイマイチ:ロイター通信社)
mute:弱い、消音の、控えめな
Games scepticism particularly high in Japan, indicates global survey
(東京五輪はとりわけ日本で懐疑的と、国際的調査が示した:AFP通信社)
調査によると、反対が最も高かったのは韓国の86%、次いで日本の78%とのこと。開催国や隣国で反対の声が多い。つまり「五輪開催は受け入れられていない」ことを如実に表す衝撃的なデータです。
逆に、「開催すべき」が最も多かったのは71%のトルコ、次が66%のサウジアラビア、61%のロシアでした。
興味深いのは「五輪は、新型コロナウイルスのパンデミック後の世界を一つにする機会になると思うか」という質問に対する反応です。開催にも前向きなトルコとサウジアラビアでは81%が「なると思う」と応えているのに対して、日本はわずか31%が「なると思う」と回答。
IOCのトーマス・バッハ会長や菅義偉首相の「東京五輪には世界の心をひとつにする力がある」というメッセージは、遠くトルコやサウジアラビアの人々には届いているようですが、肝心の開催国には届いていない様子。今回の調査結果を見る限り、人々の心は「東京五輪に懐疑的」は方向で一つになっているようです。