一橋大学のボンゴレさんは、メキシコペソに挑戦。メキシコペソが原油価格に影響されやすいことを受けて、「原油価格も見るようにしていたが、指標やその後の影響など見るものが多くて難しさを感じた」と言う。しかし、それでも利益をガッチリ確保。Bグループのトップに躍り出た。
早稲田大学のNAKAMURAさんはドル円で中長期的なトレードを試みたが、予想に反してドルの大幅下落に損切り。「利益が伸び悩んでいる」という明治大学の佐藤諒さんは、英ポンドでチャレンジしたものの、やはり損切りとなった。慶応義塾大学の2Gさんと同志社大学のFOXさんは、試験期間に突入するなど多忙なことから、取引をお休みした。
ドル円予想に反して大幅下落で損切り(早稲田大学 NAKAMURA)
早稲田大学3年のNAKAMURAです。
まず、今週(2021年7月5日週)の結果ですが、ドル円に投資し、マイナス3万789円(うち、スプレッドがマイナス9円、全体の残高96万1171円)となりました。エントリー、決済は下図のとおり、青矢印(7月8日 3時12分)で買いエントリー、手前の赤矢印(7月8日23時12分)で売り決済しました。中長期のトレードを試みましたが、予想に反して大幅に下落(7月8 日14時頃?16時30分頃)したため、損切りしました。
エントリー決断の判断要素が浅かったと思っています。正直、他大学が堅実に利益を出すなか、大きな痛手となったと感じていますが、今後に反省を活かしていきたいです。
また、日本時間7月9日 0時24分にドル円を0.3lot、価格109.765円で、sell(売り)で現在ポジションしていますが、ドル円の110円台半ばから前半の押し目買いの流れも考えられるので、来週月曜日から動きをしっかり見ておきたいです。
さて、ここでイールドカーブと金融相場(低金利、かつ株高)から業績相場(金利上昇、かつ株高)への移り変わりとの関係性について一度考察しておきます。そもそも、イールドカーブとは国債の各年限の金利をつないだものをいい、通常は右肩上がりとなりますが、これがいわゆるフラットニング、すなわち短期金利が上昇(中央銀行による引き上げなど)し、長期金利が低下(景気減速)する現象について、最近注目されています。
利上げが金融相場から業績相場への移り変わりだとすれば、移行のタイミングは2022~23年頃と考えられます。通常は右肩上がりですが、2019年には米中貿易摩擦で逆イールド、すなわち短期金利が上昇し、長期金利が低下する現象も起こりました。近日、FRB(米連邦準備制度理事会)が金融政策の正常化、テーパリング(量的緩和の縮小)時期を図るなか、特に8月26日?28日のジャクソンホール会議には注目したいです。
また、前触れなくテーパリングを示唆して起こった2013年5月の金利急上昇「テーパータントラム」を踏まえたFRBの対応により、今回テーパリングで株価が急落することはなさそうです。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
金融引き締め目前とあって、10年債よりも2年債利回りの動向を気にしたいですね。
さて、FRB(米連邦準備制度理事会)はテーパリング(量的緩和の縮小)開始前に十分にアナウンスするとしています。そうなると、やはりジャクソンホール会議で何かしらの示唆があると考えるのが妥当です。直近のインフレ率を見ても、市場はかなり引き締めに織り込んでいるため、株式市場もせいぜい調整して10%程度ではないでしょうか。
7月と8月はとにかく為替市場が動かなくなるため、短期的な取引が有効な相場が続きやすいかもしれません。
前週からの損益 マイナス3万789円
7月9日現在 96万1171円
これからはロット分割で挑む(明治大学 佐藤 諒さん)
利益が伸び悩んでいるので、今までの取引を振り返ってみました。勝利数が9回。負け数が16回となっていました。
続いて、勝利した際の平均利益額は2.4万円。負けた際の平均損失額は1.1万円でした。
自分としては、勝率は維持し、利益額を損失額の3倍にしたいと思っています。そのための解決策としてロットを分割してみたいと思います。これまではずうっと画面を見ていられない都合上、1回のエントリーに1回のエグジットで戦っていました。その環境下で大きな利益を上げるためには、大きなロットを張る必要があります。
これからは確信度が60%ほどで予定額の2分の1のロットでエントリーし、確信度が高まるにつれ、ロットを追加していく方法を取りたいと思います。そうすればエントリー時点で間違えたさいの損失を抑えることができます。ロットは基本的に最大ロット数の3分の1くらいを1回の取引で使用しています。これが正しいのかはわかりませんが......。
◆ 今週(7月5日週)の取引
今週は利益を伸ばしたくてたくさん取引しましたが、うまくいきませんでした。最初に6連続で1万ほどの損切りをし、5万円負けました。次の取引でプラス7万円でした。その後はマイナス3万円、マイナス1万円、マイナス2万円という内容でした。
下図はGBP/JPY(英ポンド円)の1時間足チャートです。黄色の矢印の地点でロング(買い)ポジションを持ちました。下図にあるような、自分の得意とするチャートパターンだったのでエントリーしました。
一時的に予想が当たり、2万円ほどの利益が出ましたが、すぐに戻ってきてしまいました。逆指値注文を損切りラインから建値にしていたので損失はなく済みました。
このように今まで何度かサポートされていたラインを抜ける際にチャートが大きく走ります。ここをとって効率的なトレードを目指しています。これからはポジションを追撃することで利益をさらに伸ばしていきたいと思います。
また、近視眼的になり大局の把握が疎かになっていると感じ、現状の大局では上昇トレンドが終了し、横バイまたは下降トレンド入りしていると判断しようと思います。これは米ドル円を除くクロス円に見られると思います。またドル円では7月に入ってトレンドが転換しており、月末の動きにもこれから気をつけていきたいと思いました。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
勝率が約36%で、プロフィットファクターが2.18倍。利食いと損切りのうまさが目立ちますね。一見、勝率が低いように見えますが、ここ最近の相場は小幅な値動きの中で節目がわかりづらい不規則な動きも多いため、わかりやすい相場になると十分改善されるのではないでしょうか。
特に週後半には中国企業の海外IPO規制により株が売られ、為替市場でもポジションをクローズするような急落が目立ちました。この辺りは経験がないと難しいと思いますが、ポジションコントロールができている佐藤さんであれば、大きな動いが出た際に着実に利益をあげられると期待しています。
前週からの損益 マイナス5万円
7月9日現在 101万円
メキシコペソで1万円の利益獲得!(一橋大 ボンゴレさん)
今週の前半は指値注文が約定されるのを待ったり商品価格を眺めたりしていた。今回は実際に取引した7月8日(木)と9日(金)を日記形式でつづる。
7月8日(木)【スワップ損益 プラス250円】
先週実施していた1メキシコペソ=5.5円での5000通貨分の指値注文が約定された。2000通貨分を1メキシコペソ=5.55円で売りの指値注文、残りの3000通貨分を5.7円で売りの指値注文を行った。スワップポイントが高いので、長期的に持つのも一つの戦略かと思い、後者は利益確定ラインを高めに設定している。
メキシコペソが円に対して安くなったのは原油価格の急落が影響している。OPECプラスによる協調減産の縮小を巡る交渉が合意に至らなかったことで、供給不安から一時NY(米ニューヨーク)原油先物価格は高値を付けたが、いずれは減産縮小で合意するとみられ、利益確定売りが優勢となり価格が急落した。
メキシコペソが原油価格に影響されやすいことから、原油価格も見るようにしていたのだが、指標やその後の影響など見るものが多くて難しさを感じた。今回は幸いにもメキシコペソが下がっているときに買えたが、今後の原油の供給状況いかんでは価格がどう変動するかわからないので、原油価格に影響を与える事象にも注意を払えるよう気を付けていきたい。経済の回復の急速さに対して原油の生産量の回復は緩やかであるように感じたので、当分は原油価格が上がっていくと予想する。明日にでもメキシコペソを追加で買い注文しようと思う。
7月9日(金)【決済損益 プラス1万円、スワップ損益 プラス180円】
メキシコペソ2000通貨分の売り注文が約定され、1万円の利益を得た。約定はされなかったが、1メキシコペソ=5.45円と5.5円で買いの指値注文を追加した。
原油価格の上昇はカナダドルにも影響を与えると思い、1カナダドル=87円の指値で買い注文を行ったのだが、そこまで下がらず約定されなかった。
今週は原油価格を中心に商品価格にも注目した。すべてをFXの取引材料に活用することはできなかったが、徐々に慣れて行けたらと思っている。さまざまな情報を組み合わせて考える点で大変ではあるが、とてもおもしろいと感じた。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
6月末のサプライズ利上げにより、メキシコペソを買いやすい相場が続いているようです。
加えて、5月にはメキシコへの海外送金額が過去最高を更新するなど、実需面でも相場を支えているようです。これにより、アナリストには5円65銭あたりまで上昇するという見方もあるようです。
そして石油価格はもちろん、インフレの背景には、ここ数十年で最悪の干ばつに見舞われていることがあるようです。農産物の価格が上がり、インフレが進むという苦しい状況にあるようで、このあたりも相場に影響してくると考えられます。
前週からの損益 プラス1万430円
7月9日現在 110万6411円
神奈川県出身。
◆ 体調がすぐれず、また試験期間と重なったため、取引をお休みしました。(慶応義塾大学 2G)
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
7月9日現在 110万4700円
◆ 多忙のため、取引をお休みしました(同志社大学 FOXさん)
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
7月9日現在 103万4040円
福岡県出身。
◆100万円増額計画 FX大学対抗戦のルール学生投資連合USIC
・元本100万円のデモトレードです。
・通貨ペアはクロス円取引とします。
・レバレッジは25倍を上限(法令に基づく上限)とします。
・取引の過程で資産が「ゼロ」(元本割れ)になった場合は、その時点でリタイアとなります。
・順位は、11月26日時点の運用損益で決めます。
「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
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