「悪代官」西村大臣が残した「飲食店いじめ」第3の手! 大手グルメサイト「お客密告システム」に知事が怒りの声

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   江戸時代の「悪代官」さながらに銀行と酒店を脅して飲食店の「自粛警察」を演じさせようと目論んだ西村康稔経済再生担当相。2021年7月13日までに両方とも撤回に追い込まれたが、もう一つ飲食店を締めあげる手を残していた。大手グルメサイト(食べログほか)を利用して、お客に店の新型コロナウイルス感染症対策の評価をさせようというのだ。

   いわば、お客を「監視」役に、政府に「通報」させるシステム。知事の中には「国が密告制度をつくるとは」と呆れる人もおり、ネットでは怒りの声が巻き起こっている。

  • よほど「密告」が好きとみえる西村康稔経済再生担当相
    よほど「密告」が好きとみえる西村康稔経済再生担当相
  • よほど「密告」が好きとみえる西村康稔経済再生担当相

お客がグルメサイトから国のアンケートに答える

   主要メディアの報道をまとめると、物議を醸(かも)している「食べログ」を使った新システムとはこうだ。

   西村康稔経済再生担当相は2021年7月2日の記者会見で、飲食店が感染防止策をきちんと講じているか、大手グルメサイトを通じて利用客が報告するシステムを導入することを明らかにした。

   具体的には「食べログ」「ぐるなび」「ホットペッパーグルメ」の3つの大手グルメサイトを通じて、利用客が次の4つの項目で、店の感染対策がしっかり行われているかの度合いを5段階で評価する。利用客は各グルメサイトに貼られたリンクから国が設けるページへ移動し、

(1)来店時に従業員から手指の消毒をするよう声をかけられたか。
(2)座席は1メートル以上離れていたか。
(3)食事中以外のマスク着用を求められたか。
(4)換気は十分だったか。

などのアンケートに回答。収集した情報は政府と都道府県のみで共有し、対策が不十分な飲食店に改善を指導するほか、多くの都道府県が進めている感染対策を行っている飲食店の第三者認証制度に役立てるという。

   政府から情報提供を受けた都道府県が「違反店」を指導する。「違反店」が正当な理由がなく指導に従わない場合は、認証を取り消すこともある。政府は7月中の開始を目指す方針だ。

   西村大臣は、このシステムを導入する狙いについて、こう説明したのだった。

「飲食店の努力を評価し、報いるためにも、第三者認証制度の質を担保していきたい。店によっては取り組みが不十分なところもある。コールセンターも置き、幅広く情報を集めたい」

と述べた。

   グルメサイトを通じた〈監視〉とは別に、電話でも「不届きな店」の〈通報〉を受けるというわけだ。

   飲食業界のニュースサイト「飲食店.COM」(7)月7日付)「【新型コロナ】飲食店の感染症対策を『グルメサイト』通じて客が評価。7月中にも導入」が、このシステムの導入を、SNSの声を特集して批判的に報じている。

「このニュースを受け、SNS上などでは『密告制度』などと批判的な意見が多くあがっている。
『あることないこと書き込まれる店も、たくさん出てくるのだろうな』
『いよいよ潰れるじゃなくて、潰される店が出てきそうで、めちゃくちゃ怖い』
『専門家でもない、一般人にそういう大事な部分を委ねるの?』
『政府が制度として匿名の密告を推奨するようなもの』
飲食店の感染防止対策状況を利用客が報告するシステムに関しては、やはり回答に私見が入らないか、作為的なものにならないかといった点で、情報の精度に疑問を持つ人が多いようだ。飲食店は長期化するコロナ禍で、時短営業や酒類提供の停止など様々な要請に応じてきた。程度の差はあるが、ほとんどの店舗で感染対策に取り組んでいる。ウイルスを抑えるという大義名分があるとはいえ、我慢ばかりを強いられてきた飲食店にとっては厳しい政策であると言わざるを得ないだろう」
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