2か月前から国税庁が酒類業者に怪しい動きを
ネット上では、菅政権ぐるみの血も涙もないやり方に怒りの声が巻き起こっている。
エコノミストで経済評論家の門倉貴史氏は、こう指摘した。
「緊急事態宣言下でも酒類の提供をするルール破りの飲食店が増えたのは、そもそもルールが公平ではないことが一番の原因だ。国民には徹底した自粛を要請しながら、一方で五輪選手村では酒類の持ち込みが認められる、露骨なダブルスタンダード(二重規範)が適用されれば『こんな非合理的なルールには従えない』と考える店が増えるのは当然だ。地下経済が拡大する原理も全く同じだ。政策当局が適用する規制が非合理的で非効率だと、規制の網の目をくぐって地下経済か拡大し、最終的には非効率な規制が緩和・撤廃されるようになる。闇営業をなくしたいのであれば、ダブルスタンダードになっているルールを公平なものにすることが先決だ」
ほかにも、こんな批判が相次いだ。
「地方銀行に勤務しています。金融機関からの圧力が実施されなくてホッとしています。お客さまに働きかけをすると、恨まれたり、黙っていてほしいと頼まれたり、いろいろ大変な目に遭うことが簡単に想像できました。公務員が動き回るのは限界があるので、駒が揃っている金融機関にと思ったのでしょうが、現実的に無理です。私たちには私たちの仕事があるし、国から何も見返りがないのにそんな雑用をぶつけられても困ります」
「金融機関の働きかけ、批判が出なければ本気でやる気だったということでしょう。飲食店を脅すために省庁が監督する企業を使うという卑劣な手口です。西村大臣の単独犯ではできないトンデモない組織犯罪です」
「財務省と経産省が関わっているのに麻生大臣と梶山大臣に話がいっていないとは到底思えない。ましてや内閣官房がからんで、菅首相に話がなかったのが本当なら、今すぐ西村さんの首を飛ばしてもいいレベル。前々から次に緊急事態宣言をした際の重要施策として準備していたというのが、ホントのところでしょうね。金融機関に自粛警察をさせ、店に酒を卸さないという兵糧攻め。これがもし上手くいけば、今後は補助金なんてまどろっこしいことはやめて、お上の力を振りかざせば万事解決が横行していたということですね、やれやれ」
酒類販売者からは、こんな声が。
「酒類販売者です。酒類業界は国税庁からの依頼は、長年命令と思い込んでいます。本当に依頼なら内閣官房の名前だけでよいはす。国税庁の名前を入れれば、言うことをきくとわかってやっています。優越的地位の乱用は明確で、業務妨害を国税庁がアシストしていたということです」
国税庁を巻き込んだ計画的な「犯行」だったのではと、指摘する声もあった。
「2か月前から酒販店に頻繁に国税庁からアンケートが送られてきました。内容は家庭用業務用の割合などです。酒販店は免許のこともあるのでまじめに返します。それを元に酒販店を締め付ける策を練っていたと思うとやるせない気持ちになります。ちなみに酒関係者として、このアンケート文書に書いてある場所に電話し、詳細を確認しようとしました。担当者が不在なので折り返しますと言われ、ずっと待っていますが折り返しが来ません」
「酒類販売は免許制だから、お上に逆らうわけにはいかない。でも卸を規制しても、協力に応じないような飲食店は結局スーパーとか小売店で酒を仕入れるようになるだけ。そうなると今は自由にしている小売店での酒の販売も規制していくようになるだろうから、そうなったら大混乱だろうね」
一方、飲食店にしっかり要請を守ってほしいという人からはこんな意見も。
「徹底的に飲食店には自粛して欲しいのです。でも、そうであれば五輪貴族の行く店は絶対ルーをル守らせてください。しかし、ホテルのルームサービスは別、個室付き店は別と報道されています。五輪貴族がルールを破った店に行っていることが発覚したら、即刻国外退去、選手なら出場停止、メダリストなら剥奪、くらい当たり前に考えたうえでの飲食店への制限ですよね」
「よーし、こうなったら奥の手があるよ。ちょうど100年前にアメリカであった禁酒法を日本でも一度やってみたら? 酒を全部取り上げて廃棄処分にした歴史があったけど、結局、密造酒が横行して、アル・カポネとかの反社会マフィアが増えたそうだが」
(福田和郎)