内閣官房と財務省、経産省、金融庁も関与する悪だくみ
しかし、じつは「西村大臣の個人の説明不足」などではなく、政府ぐるみの企てだったことを暴いたのは、共同通信(7月12日付)「酒提供停止働きかけに財務、経産両省も関与」である。共同通信は、西村氏が担当する内閣官房の新型コロナ感染症対策推進室だけでなく、財務省と経済産業省、金融庁も関与していたこと示す文書を入手、2枚の写真付きでこう報じたのだった。
「酒類の提供停止に応じない飲食店に対し、取引金融機関から順守を働きかけてもらうよう求める政府の方針決定に、内閣官房のほかに、財務省と経済産業省、金融庁も関与していた。酒類の提供停止に応じない飲食店に取引金融機関から順守を働き掛けてもらうよう求める『事務連絡』の文書を、内閣官房は7月8日に出していた(写真掲載)。そして、9日に(世論から猛反発を受けると)『中止にする』という事務連絡文書も出していたのだった(写真掲載)」
最初の8日付の文書は「コロナ感染症対策の徹底促進について、所管金融機関等へご依頼いただきたい事項」として、金融機関が融資先の事業者に対し、新型コロナ特別措置法に基づく要請や命令の順守などを働きかけるよう「よろしくお取り計らいをお願いします」としている。
財務省と経済産業省、金融庁も関与しているとなると、少なくても麻生太郎財務相、梶山弘志経済産業相が知らないはずはないだろう。また、内閣官房の最高トップである菅首相は知らなかったのか。
菅首相は7月9日に世論が沸騰。西村発言が撤回に追い込まれた際、記者団から、
「西村大臣の発言は、金融機関の優越的地位の乱用を勧めるものではないか」
と問われると、
「西村大臣の発言は承知していない。(仮定のことに応えるのは控えるが)西村大臣はそうした発言は絶対にしないと私は思っている」
と答えたのだった。