「店舗でコツコツ+動画配信」の勝利の方程式
動画などコンテンツ配信事業は「巣ごもり需要」の恩恵を受けて売上高が35.8%増、営業損益は前年の赤字から黒字転換した。この結果、売上高・利益とも前年同期には上だった店舗サービス業を、コンテンツ配信事業が逆転した。店舗サービス業でコツコツ稼ぎながら動画配信を伸ばすという「勝利の方程式」が浮かび上がったと言えるだろう。
さらに投資家に好感された増配は、2021年8月期の年間配当を前期比4円50銭増の12円50銭と従来予想(8円50銭)から大幅に引き上げる点がサプライズとなったようだ。
動画配信については21年3月、米AT&T傘下のワーナーメディアと日本での配信で独占契約を結び、攻勢をかけている。
ただ、先行する「ネットフリックス」や「アマゾンプライム」が国内でも浸透しており、「ディズニープラス」なども国内の顧客開拓に余念がない。「YouTube」などもライバルであろう。若者を中心に「テレビがつまらない」という認識が広がりつつあるなか、かつて宇野康秀社長が思い描いた動画配信の時代が到来したが、それは厳しい競争に直面する世界でもある。(ジャーナリスト 済田経夫)