きょうは40代半ばのMさんです。
「コロナ禍でニュースや雑誌で早期退職の話題を目にしていましたが、いよいよ私の会社でも始まりました。『早期退職制度が始まったら、転職でも考えようかな』と同僚に、冗談半分で話していましたが、実際はまだ何も準備もしていません。ただ、早期退職制度は退職金が上乗せになりますし、将来的に転職も考えているからチャンスなのかなとも思っています」
「早期希望退職制度」をチャンスにできる人
企業が募集する「早期希望退職制度」。どうしても、一見ネガティブに捉えがちですよね。会社から声がかかった時には「会社にとって自分はお荷物社員なのかな」と落ち込んでしまうこともあるでしょう。
ただ、早期希望退職制度をチャンスにできる人も一定数存在します。まずはチャンスにできる人・そうでない人の差を見てみましょう。
チャンスにできる人は、こんな人ではないでしょうか。
・転職に向けて自分の棚卸しができている人これまでの経験やこれまでのキャリア、自分の価値や強みを明確にしています。そして次の転職で手に入れたいこと・やりたいことをしっかりと考えています。
・第三者の意見を聞いてみることができる人これまでの仕事に対して自信や自負だけで動いてしまうと失敗してしまうことがあります。そこで、利害関係のない第三者からの客観的な意見を聞いてみると、自分のことを客観的に見ることができるでしょう。
「自分の実力を分かってくれない会社が悪いんだ」と安易な理由で、退職を決めてしまったり、これまでの経験があるから何とかなるだろうという、根拠のない自信だけで動いてしまったりすると失敗することがありますよね。
転職の準備ができるまでは「しがみつく」ことも大切
「しがみつく」という表現をすると格好悪く感じるかもしれませんが、決してそうではありません。早期希望退職はチャンスかもしれないと、安易な考えだけで行動してしまうと、なかなか次の転職先が決まらないということもあるでしょう。
つまり「しがみつく」にしても、会社に「ぶら下がっている」ようでは、しがみつけせてもらえません。そうです。「ぶら下がり社員から脱却」しなければならないのです。
会社は優秀な社員には残ってほしいと思っていますよね。そこで、まずは会社に必要だと思ってもらうために、自分自身のことを見つめ直して「ぶら下がり社員からの脱却」を試みてみましょう。会社で働くためには、自分が会社にどれだけ価値を提供できるかってことは大切だと思います。
そうなると、考えなければならないことがあります。たとえば......。
・他責志向ではないか?ビジネスや環境の変化が激しい時代なので、うまくいかないことを環境のせいにしてしまうこともあるかもしれません。会社は、そんな時代だからこそ、変化に対応できる人を求めています。長く会社にいると「会社のやり方が変わらないから」という思考になりがちですが、自分が改善できることはないか?変化できることはないか?ベクトルを自分に向けてみましょう。
・組織にプラスの影響を与えているか?悪気はないけれど、マイナスの発言や、「できない理由」ばかり言って、マイナスの方向に組織を引っ張ってしまう人がいます。こんなことをやっても、誰に対してもいいことはないので、ふだんからマイナスの発言や批判ばかりしてしまう癖のある人は見直してみましょう。
Mさんはまだ早期希望退職に向けて準備をしていないので、準備が間に合わなかったら会社に残りながら同時に次の準備をすることを考えてみてはいかがでしょうか。
ただ、会社に残るということはやはり成果を出す、会社にどれだけの価値を提供できるかを考えないといけません。どんな時にもチャンスを手にすることができる人は準備ができていて、状況をプラスに考えて行動できる人です。Mさん、チャンスを手にするために頑張りましょう。(ひろ子ママ)