ブログやSNSで情報を発信していると、たまにいただくのが「公務員って副業禁止なのにFX(外国為替証拠金取引)はしてもいいんですか?」という質問。FX=怪しい、危険、ギャンブルみたいなイメージがあるのか......。
23歳からかれこれ15年FXをしているぼくからすると、正直目が点な質問だ。株式投資も、つみたてNISAなどで行われている投信積立も同じ投資だ。公務員はFXをやってはいけないということであれば、これらの投資もやってはいけないということになる。そんなことはない。
23歳から始めたFX どうしてた?
公務員が禁止されているのは「副業」だ。営利目的で事業をすることや、アルバイトなど本業以外の仕事をすることが禁止されている。投資はこれらに当てはまらないのでOK。ただし、公務員法によって職務専念の義務や信用失墜の禁止、守備義務は負っているので注意が必要だ。勤務時間中にスマホアプリや職場のパソコンでトレードをするなんてことはもってのほかなので人生を棒に振らないように公務員の人は気をつけたい。
著書やブログでも書いているので詳しくは割愛するが、ぼくは公務員を辞めようと思って23歳のときに本気で資産運用としてのFXを始めた。今から15年も前なので、つみたてNISAのように低コストな投資信託を毎月積立。非課税で買える環境は整っていなかった。
個別株は大学生のときにやってみて、投資初心者には銘柄選びのスキルや投資元本がそれなりに必要ということもあって厳しいと感じたので、社会人になってからはやらなかった。また、当時は今のように仮想通貨もない。そうなると消去法的にFXしかなかった。
始めはなんとなく雰囲気でトレードしてしまい案の定、50万円を2週間で8万円に減らしてしまった。FXなどの証拠金取引には、現物取引にはないロスカットという仕組みがある。これによって大きく含み損を抱えたぼくのポジションは強制的に決済され、担保として預けていた証拠金分だけが口座に残った。
この経験を通してぼくは雰囲気だけでトレードしていた自分を見つめ直し、半年ほどの間、片っ端から投資本を読み漁り勉強しつつ、新たな運用資金を貯めていった。そして、行きついたのが相場を予想しないFXだ。今はそれを自動売買でやっているが、当時は通勤電車内や昼休み、寝る前など隙間時間でやっていた。相場を見て、売り買いの判断をする裁量トレードではないので、すべて指値注文(予約注文の一種)で対応できた。
「時間を味方につける!」コツコツトレード
23歳で再出発したぼくのFX口座は30万円だった。リスクをできる限り抑えて、相場を見なくてもできる運用を模索した結果が、細かい注文を値動きがありそうなところに並べるというものだ。リスクを抑えているので得られる利益は大きくない。1回の決済で得られる利益は500円ほどだ。
たかが500円。されど500円。道には落ちていない。決済を積み重ねることで自分のやり方は間違っていないという自信がでてきた。そして、やり方が間違っていなければ運用資金そのものを大きくすることに注力することが、より利益を大きくするための近道だと感じた。
同じ値動きでも資金が2倍になれば1回あたりの決済金額が1000円になるからだ。ぼくは始めるときに毎月の給料から2万円、ボーナスから10万円をFX口座に入れることをマイルールとしていた。だが実際には、残業代がかなりあったので、これ以上の金額を入金できた。
終電で帰るのが当たり前というぐらいやることは、たくさんあったのでしんどかった。でも運用をしていることで、もう一人の自分が勝手に働いてくれる感覚があった。元本を増やすことで毎年のFXで稼いだ金額が増えていったので残業を乗り切るモチベーションになった。気づけば10年......。30万円で始めたぼくの運用資産は2000万円を超えていた。時間を味方につけると、お金って増えるんだというのがよくわかった。(あっきん)