小暑を過ぎ、これから最も暑い季節となります。新社会人や学生にとっては振り返りが必要な時期です。新しい環境に適応できないとストレスを感じるようになるからです。
抑うつ、不眠、疲労感、食欲不振など、いくつかの症状がありますが、こんな時には自宅で手軽にできるアロマセラピーを取り入れてみましょう。
「薬に頼らない アロマ的セルフケアレシピ」(小野江里子著)ソシム
リラックスに効果的があるって本当
アロマとは、それは、植物から抽出した成分を利用して、リラックス作用を促す自然療法のことです。その歴史は非常に古く、5000年以上も前から、医療や宗教、身だしなみなど、日常生活のさまざまな場面で使用されていた、とされています。
じつは筆者もアロマ愛好家です。気分を落ち着かせたいときは、ラベンダー、ローズウッド、元気な気持ちになりたいときは、グレープフルーツ、ローズマリー、ローレルなどが有名です。扱いやすい精油なら初心者でも難しくありません。季節の変わり目や、ストレスが溜まりやすいこの時期のアロマは心を落ち着かせる効果があります。
ラベンダーの香りを嗅ぐとリラックスするとよく聞きますが、これは理論的に解明されていることです。嗅香が人間の活動能力を高めることなどが明らかにされています。
筆者の場合、原稿を夜に書くことが多いのですが、ここではやる気を引き出す儀式があります。部屋にアロマを焚いて精神を統一させて、杏露酒かアマレットを一杯のみ、そのような自分に酔いながら妄想するといい文章が書けるのです。
というのは、冗談ですが、集中する前にアロマを焚くとスイッチが入りやすいのは事実。自宅で手軽にできる集中法をぜひお試しください。
アロマセラピーとアロマテラピーの違い
じつは、筆者もどちらの呼び方が正しいのか疑問に思っていました。著者の小野さんによれば、どちらも正解とのことです。「アロマセラピー」は英語。「アロマテラピー」はフランス語です。著者の小野江里子さんは、次のように説明します。
「イギリスとフランスでは、精油の使用方法に違いがあります。フランスでは医師が身体の症状を診断し、精油を使って治療をする場合があります。数は多くありませんが、自然治癒力を高めるために、精油を薬の代わりに処方しています。一方、イギリスでは病気の予防や健康、美容のために日常生活の中で精油を取り入れています」
「植物から抽出した精油は、国が違うと使い方も異なるのです。日本では精油を薬として使用することは禁じられていますが、医療分野で症状の緩和ケアとしてアロマセラピーが取り入れられていたり、リラクゼーションだけでなく幅広い分野で活用されています。精油は健康面に有用性をもたらしてくれています」
実際に、香りの効能は昔から活用されてきました。歴史ドラマを見ていると、眠れない時に、枕元に「りんご」を置いて鎮静作用やリラックス効果を高めるシーンを見かけることがあります。
これは、香りの効能を活用しているのでしょう。病院のお見舞い用の果物として"りんご"が用いられるのもこのような理由によるものと思われます。
「アロマに興味があるけど使い方がわからない」
「アロマって実際はどうよ、怖いものではないの!」
と半信半疑の人がいたらオススメします。
この1冊でアロマに関するすべての知識が習得可能です。植物の力はハンパない!自然の恵みである「植物の力」のすごさを感じ取ってみましょう。(尾藤克之)