かつての「洗剤の川」も近年はアユが遡上する川に変貌 国交省が18の「水質が最も良好な河川」を発表

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下水道整備や排水規制、河川浄化事業が実る

   国交省の水質調査は、水質汚濁物質の指標となる「BOD(生物化学的酸素要求量)」などが主な審査の対象となる。一般にBODの数値が大きいと、水中に存在する有機物の量が多いことを意味し、有機物による水質汚濁の程度が大きいことになる。

   清流などの場合は、水中の有機物の量が少ないため、BODの値は小さくなる。

   国交省が定める「水質が最も良好な河川」は、全国159河川の各調査地点のBODの年間平均値が環境省の定めるBODの報告下限値(1リットル当たり0.5ミリグラム、mg/L)となるなど、一定の基準を満たしたものだ。

   国交省によると、公害問題が深刻だった1971年当時、一級河川のBODの平均値は5.0mg/Lを超え、「水質改善が急務だった地点は一級河川の全調査地点の27%を占めた」という。

   その後、下水道の整備や排水規制、河川浄化事業の推進で一級河川の水質改善は進み、生活環境の保全に関する環境基準を満たした地点の割合は98%(2020年、全888 地点中868地点)と、高い割合を維持しているという。

   1970年代に水質汚染が進み、洗剤の浮く河川と言われた東京の多摩川も80年代にはアユの遡上が確認され、近年は毎年アユが大量に遡上する河川となっている。

(ジャーナリスト 白井俊郎)

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