国土交通省は毎年7月の「河川愛護月間」に合わせ、全国一級河川の水質調査結果(2020年)を、2021年7月1日に発表した。「水質が最も良好な河川」に選ばれたのは、対象となる全国159河川のうち18河川だった。
静岡県の狩野川が初選出!
国交省が発表した18の河川は、都道府県別では北海道が後志利別川など3河川、富山県が黒部川など3河川で、最も多かった。続いて静岡県が安倍川など2河川、鳥取県が天神川など2河川、高知県が四万十川など2河川、宮崎県が小丸川など2河川で並んだ。
複数の河川が選ばれたこれらの道県だけで14河川を占め、「水質が最も良好な河川」が一定の地方に偏在していることがわかる。首都圏や京阪神に該当する河川はなかった。
18河川は、以下のとおり。
【北海道】▽後志利別川(シリベシトシベツガワ)▽尻別川(シリベツガワ)▽沙流川(サルガワ)
【福島県】▽荒川(アラカワ)
【富山県】▽黒部川(クロベガワ) ▽常願寺川(ジョウガンジガワ )▽庄川(ショウガワ )
【三重県】▽宮川(ミヤガワ)
【静岡県】▽安倍川(アベカワ)▽狩野川(カノガワ)
【和歌山県】▽熊野川(クマノガワ )
【鳥取県】▽天神川(テンジンガワ)▽小鴨川(オガモガワ )
【高知県】▽四万十川(シマントガワ)▽仁淀川(ニヨドカワ)
【熊本県】▽川辺川(カワベガワ)
【宮崎県】▽小丸川(オマルガワ)▽五ヶ瀬川(ゴカセガワ)
この中で、静岡県の狩野川は今回初めて選ばれた。伊豆半島の天城山を水源とし、同県沼津市から駿河湾に注ぐ河川だ。
このほか、福島県の荒川は2010年から11年連続、熊本県の川辺川は06年から15年連続で選ばれた。10年以上連続はこの2河川だけで、いわば「水質が最も良好な河川」の常連だ。