レンジ相場に慎重を期す(同志社大学 しがないトレーダー)
◆ 今週の気になったニュース
米エンタープライズ決済大手NCRが仮想通貨投資企業NYDIGと連帯し、650の銀行の顧客に暗号通貨取引を提供していくと報じられた。これは、銀行や信用組合向けにビットコイン(BTC)や暗号通貨を買える仕組みを提供するという仕組みである。
NCRとは、銀行やデジタルバンキングのシステム開発や、POSシステム、ATMなどの決済インフラを含むサービスを提供している企業である。この企業が、暗号通貨投資企業NYDIGという、暗号通貨を取り扱うためのシステムを提供している企業と連携するニュースである。
注目されている部分は、NCRの顧客である650の銀行と信用組合が、このサービスを使うことで、すぐにでも暗号通貨の購入サービスなどを提供できる可能性が出てきている。このすべての顧客が取り扱った場合、2400万人に対してサービス提供ができる可能性が出ていることから、一般ユーザーを取り込む新しい窓口になるのではないかと考えられている。
また、これは、日本の暗号通貨取引所の販売所のような仕組みを銀行の中に導入するようなことである。一般ユーザーからすると、暗号通貨の取引所の口座を開設せずとも、取引することができ、銀行内ですべてのサービスが完結する。
NCRは、暗号通貨の取引の提供だけではなく、決済の領域も今後強化すれば、暗号通貨のトランザクション手数料を気にせずに決済できるのではないかと考えられている。
◆ 今週の取引
今週のビットコインは、そこまで大きな値動きはなかった。依然としてレンジ相場続きであるため、取引はしていない。取引を積極的にしている人もいるが、レンジ相場はあまり触るべきではないと考えている。なぜなら、方向性をなくしているからである。レンジ相場とは、買い圧力と売り圧力の衝突であるため、どっちに向くか想像がつかない。
私が取引をしていないのに対して不満を持つ人がいるかもしれないが、私はレンジ相場で勝てるほどトレードがうまくないので、方向性が確かになるまで見守りたいと考える。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
良いニュースに着目しましたね。米国では、コインベースなどの交換業者はもちろん、ロビンフッドや決済企業キャッシュアップなどのアプリでのビットコインの購入がかなりの割合を占めています。そこへ、昨年10月にペイパルが参入し仮想通貨ブームが加速しました。さらに、エルサルバドルがビットコインを法定通貨にするサポートをした背景には、決済企業ストライプの後押しがあるとされています。
いつでも、どこでも誰でも仮想通貨にアクセスできるインフラの整備は、今後の普及率の速度を早め、価格にもインパクトを与えます。
今回のニュースは、銀行と信用組合にアプローチできることから、今までにないユーザーの取り込みが可能になるのではないでしょうか。
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
7月2日現在 1万円
◆ 大学対抗 1万円からはじめる暗号通貨バトルのルール学生投資連合USIC
・元本は1万円です。
・投資する暗号通貨の選定は自由です。ただし、国内で購入できる暗号通貨に限ります。
・レバレッジは、かけられません。
・20%を超えて下げた場合は、強制的に取引を停止(ロスカット)します。
・元本割れは1回まで。リベンジ(再投資)可能ですが、2度、資産(合計で2万円分)を失った場合は、その時点でリタイアとなります。
・順位は、11月26日時点の運用損益で決めます。
「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
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