7月に入り、そろそろ期末試験がはじまる。学生トレーダーは忙しくなってきた。
そうしたなか、明治大学の佐野海斗さんが大勝した! カナダドル円、ユーロ円、米ドル円に投資。早め早めの対応で利益を積み上げ、一気にトップに躍り出た。追う専修大学のめがねちゃんは、ユーロ円とニュージーランドドル/円を売りでエントリー。じっくり構える。
忙しくて「チャートを見る暇もなかった」という北海道大学の上田晃史さんは、無理せずに自重。慶応義塾大学のトリオネアさんは試験が始まり、今週(2021年6月28日週)は取引を見送った。
攻めて大幅プラス!(明治大学 佐野快斗さん)
今週(6月28日週)は、6月30日に月末のロンドンフィクス、7月1日日本時間23時には米国ISM製造業景気指数発表、7月2日日本時間21時30分には米国雇用統計発表がありました。
米国ISM製造業指数とは、全米供給管理協会が企業の購買担当者へのアンケートを基に作成する製造業および非製造業における景況感を示す指数であり、「50」を境目として景気の良し悪しを表す指数(大和証券ホームページより)。前回値は61.2、市場予想値は61、今回発表値は60.6でしたので、予想を下回ったものの依然として景況は悪くなく、ドル円の変動値も21時から22時にかけての1時間足で約10pips(1pip=0.01円/1銭)と、大きな変化はありませんでした。
NHKによると、2日の雇用統計は、農業部門以外の就業者が85万人増加。一方、失業者も948万人と増加。失業率も小幅の悪化となりました。
◆ 今週のトレード
6月25日時点で、ユーロ円、カナダドル円のジワジワと下げるトレンドがあったため、各10lotずつショート(売り)していました。ユーロ円はロンドンフィクスの影響を受けやすいと考え、早めに利益確定。プラス5万9472円。カナダドル円は利益を伸ばすことができ、30日が月末であったためポンド円に備えて利益を確定させました。プラス8万3860円。
28日16時時点で下げトレンドだった米ドル円をショート(売り)するも、損切りしました。マイナス1万5000円。また、同じように週明けに下降トレンドであった英ポンド円をショート(売り)していましたが、こちらも思うようにならず損切りしました。マイナス1万円。30日にはロンドンフィクスを考え、早めにロング(買い)でのエントリーをしましたが、午前中は早すぎたようで下降トレンドの反転を考えていなかったため、損切りとなりました。マイナス1万5000円。しかしながら、午後からは5lotずつ3回に分けてとったポジションでは、無事に利益を得ることができました。プラス4万4450円です。
また、雇用統計前にはドル円で急な高騰があったため、発表結果が織り込まれていると考え、さらにはねることも考慮して少ないlot数で発表後の調整売りを狙いました。こちらもうまく下げたため、週末であることもあって早めに利益を確定させました。プラス1万4050円。
◆ 来週の戦略
ドル円は1時間足でゴールデンクロスを形成しつつあり、完成したときにショートエントリーを狙っていこうと思います。そのほかの通貨に関しては超短期的にはそれぞれトレンドはあるもののはっきりとした方向感がないため、静観しようと思います。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
利食いと損切のバランスが良く、何もいうことはありませんね。
さて、7月に入りましたので夏のドル円相場についてコメントしておきます。
過去25年の7、8月相場は総じて動きがないのが特徴です。7月、8月それぞれの平均騰落幅はマイナス59銭とマイナス64銭。動かないながらも、やや円高方向に動く結果となっています。5年以上前になると、8月の米国債の入札で乱高下していましたが、最近は動くこともなくなってきました。7月5日週は円高に振れていますので、過去の例とテーパリング開始が迫る現在のドル円は買いやすいといえるかもしれません。
前週からの損益 プラス16万1832円
7月2日現在 115万4112円
たくさんの通貨のポジションを持ちたい(専修大学 めがねちゃん)
こんにちは、めがねちゃんです!
結果から述べると、先週に引き続き、今週(6月28日週)もプラスで終えることができました! ただ、先週に掲げた(1)利益確定などトレードのシナリオを重視しすぎず柔軟に対応する(2)通貨の監視ペア減らす(3)現状から一歩先を見るという、3つの目標がまったく達成できなかったので、来週は気を付けていきたいです。
今週はEUR/JPY(ユーロ円)と NZD/JPY(ニュージーランドドル/円)の2つの通貨を保有した。現在もポジションを保有している。エントリータイミングは、EUR/JPY(ユーロ円)を131.904円で売り、NZD/JPY(ニュージーランドドル・円)を77.795円で、売りで入った。トレードの根拠はすべてトレンドが形成されていたと思ったからです。
じつは、たくさんの通貨のポジションを持ちたいと考えています。初心者は実際にポジションを持って勉強するのが良いと教えてもらったからです。ポジションを実際に持って体感したことは、自分が目標にしている損切りや利益確定が遠いということと、チャートが上がる時間と下がる時間があることです。
チャートの上がる時間と下がる時間は時差によるものだと考えていますが、差が激しく、何十pipsも動くので短期での値動きや早めの利益確定、損切りは大切だと学びました。同じラインを行ったり来たりしているなら、日にちベースで見たらレンジ相場と変わらないので、小さなトレンドはどこまで続きそうかというのもしっかり見ていきたいです。
今週の動きが押し戻りによるものなのか、指標によるものなのかなど、きちんと調べて値動きの傾向を掴んでいきたい。
◆ 以下はポジション保有中。未決済。
(1pip=0.01円/1銭)
EUR/JPY(ユーロ円) マイナス28.9pips
NZD/JPY(ニュージーランドドル・円) マイナス33.9pips
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
ポジションを持ち越していますが、ユーロ円は良い結果となっているのではないでしょうか。ユーロは横バイですが、ドル円が雇用統計の好結果を織り込んでおり、利益確定の動きから111円を割り込むと、下げ続ける結果となりました。
ニュージーランドは、ASB銀行のアナリストが利上げ開始時期の予想を従来の2022年8月から今年11月に急速に前倒し。市場も同調する形で国債が売買され、市場金利では11月の利上げ見通しが76%となっています。主要国で最初に利上げを行うことになるニュージーランドが、今後ドルとどのような動きとなるのかトレード妙味があるところです。
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
7月2日現在 107万3585円
多忙で取引できませんでした(北海道大学 上田晃史さん)
いよいよ7月に入り、月日の早さを感じます。日本の暑い夏が訪れつつありますが、それでも金融市場は変わらず動いていますね。7月2日に米国の雇用統計から、非農業部門雇用者数が発表されました。
結果は前回が58億3000万人で、今回の事前予想が72億人のところ85億人でした。この結果だけを見ると、ドル円などは米国経済の強さから円安方向に進みそうなものですが、実際には円高方向へと動くことになりました。というのも、失業率も同時に発表されていて、事前予想の5.6%を上回り5.9%であったことが起因していると思います。
FXはそれらマクロ的要員の強弱だけでなく、需給によるミクロ的要員も短期的には大きな影響を持つため、改めてFXの難しさを実感しました。
今週(2021年6月28日週)は、忙しくてチャートをみる時間が取れなかったので、取引はゼロでした。そのため、先週と変わらず、最終残高は96万7830円です。
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
7月2日現在 96万7830円
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
今回の米国雇用統計は、長年取引を行っている人には見慣れた光景でしたが、経験がないと難しかったかもしれません。市場はすでにテーパリング(量的緩和の縮小)を受け入れており、そこそこ良い結果が出ることも想定していました。事前に、15年間インターバンクで働いていた投資家の人と話したところ、上がっても下がっても売りだろうということでした。つまり、市場はそこそこ良い結果を期待しており、ドル買いに偏っている。そして、雇用統計を利益確定の機会としているということです。
結果的に、好結果が出て上昇したものの、そこはかっこうの利益確定のタイミングとなり急落につながったというトレーダーの動きがあるのではないでしょうか。
大阪府出身。
◆ テストが重なり学業が忙しく取引できませんでした。(慶応義塾大学 トリオネア)
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
7月2日現在 99万615円
◆100万円増額計画 FX大学対抗戦のルール学生投資連合USIC
・元本100万円のデモトレードです。
・通貨ペアはクロス円取引とします。
・レバレッジは25倍を上限(法令に基づく上限)とします。
・取引の過程で資産が「ゼロ」(元本割れ)になった場合は、その時点でリタイアとなります。
・順位は、11月26日時点の運用損益で決めます。
「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
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