東京都の感染者は8月に4000人の試算も
東京都の新規感染者は7月8日も896人に達した。これは前の週の同じ曜日より223人多い。19日間連続で前週より増加したことになる。これほど急拡大している背景には、インド型の変異ウイルス「デルタ株」が急速に広がっているからだ。
主要メディアの報道をまとめると、新型コロナウイルス対策を厚生労働省に助言する専門家組織(アドバイザリーボード)は7月7日、首都圏での感染者の増加が続き、全国の感染者数の3分の2を占める状況になっていると発表した。
特に顕著なのが「デルタ株」に感染した人の急増だ。7月5日までに全国で1409人が確認された。前週の842人からさらに増えた。アドバイザリーボードは、関東地方ではこうしたデルタ株が7日時点で感染の約35%を占め、東京五輪が始まる7月23日には7割程度になる、8月末には完全に置き換わる、と推定し、
「散発的なクラスターから、都心部での継続的な流行に移行しつつある。このままの状態が続くと、都内の1日あたりの新規感染者数は7月中に1500人を超える。強い対策をとらないと、8月初めには4000人を超えて、医療体制がひっ迫する危険がある」
という試算を示したのだった。
国立感染症研究所の脇田隆字所長は、
「高齢者はワクチン接種で一定の効果がみられるが、40~50歳代の重症患者が増加している。今後、4連休や夏休みで県境を越える移動が活発になれば、東京から各地への感染拡大が懸念される」
と、注意を促した。