ハンギョレ新聞「大企業と中小企業の連携が深まった」
いずれにしろ、韓国のシンクタンク、産業研究院のキム・ヤンペン専門研究員は、聯合ニュースの取材に対し、こう胸を張ったのだった。
「輸入の割合をみると日本への依存度が少しずつ低くなっているのは明確な事実だ。過去2年間、わが国の産業に被害がほぼなかった。日本の輸出規制の目標達成が事実上失敗したとみるべきだ。供給網安定化の側面で日本との協業を排除することは難しいが、今後も輸入先の多角化、国産化を続け、日本との交渉を有利に進められるようにしなければならない」
ハンギョレ新聞(6月28日付)「日本の輸出規制から2年...韓国の大企業・中小企業の連携強まり、産業の自生力アップ」も、韓国の政財界人たちの「勝利宣言」を、こう伝えている。
「日本の輸出規制当時、産業部産業政策室長として素材・部品・装備育成策を率いた大韓貿易投資振興公社のユ・ジョンヨル社長は、『韓国経済の不確実性を高めた日本の措置に、国民と企業、公共機関、そして政府が一丸となって対応した代表例だ。狭い市場、高い技術力でアプローチが容易でない素材・部品・装備の分野で、さまざまな主体の間での連帯と協力のムードが拡散したという点で意味がある』と評価した。ユ社長は「(素材・部品の)需要企業にとっても、特定国家(日本)だけに依存していたサプライチェーンを再点検し、中小供給企業と緊密な協力環境を構築しなければならないということを改めて認識する契機となった」と述べた。
韓国は日本以上に、大企業が下請けの中小企業を徹底的に締め付ける体質を持っているといわれる。それが「克日」を契機に大企業と中小企業が、対等に連携する機運が生まれたというのだ。ハンギョレ新聞が続ける。
「半導体装備会社ジュソン・エンジニアリングのファン・チョルジュ会長も、素材・部品の需要先の大手企業と供給を担当する中小企業間の協力関係を強化する契機になった点を評価した。ファン会長は『日本の措置は韓国に協力関係強化という良いムードを作り、素材・部品・装備の重要性を刻印した。過去10年かかることを1年で行った』と述べた。依然として宿題は残っている。主要品目の対日依存度はまだ絶対的に高く、不安定性を帯びているという点だ」
ハンギョレ新聞は結びで、
「日本の規制がいつまた強化されるか分からず、ここに国際的なサプライチェーン再編の動きも変数として浮上している。現在進行中の政策と事業を地道に一貫して推進することが重要だ」
と述べて、「勝って兜の緒を締めよ」と呼びかけるのだった。