解約しようとすると、アカウントをブロック
【事例5】解約したいが、事業者の連絡先がわからない
「SNSの広告を見て事業者に連絡を取ったところ、『不動産投資などでもうける方法を教える』と、約25万円の資産形成オンラインサロンを無料通話アプリで勧誘された。毎月2万円の分割払いで契約したが、説明と違い、会員を増やせば紹介料が入る内容だとわかり、支払いを中止した。すると、未納料約10万円を請求された。契約時にクーリングオフなどが記載された書面を受け取っておらず、事業者の連絡先がわからない。契約を解除して返金を求めたい」 (2021年3月、20歳代男性)
事前に契約条件、契約内容を確認させないオンラインサロンが多い。また、契約後も書面自体を交付しないケースも少なくない。契約書が交付されていないため事業者の連絡先がわからない。
契約期間内は中途解約ができるのか、できないのかも不明だ。不審に思い、解約しようとSNSで事業者にアクセスを試みると、アカウントをブロックされてしまう。こうなると、支払ったカネが戻ってくるのは難しくなる。
国民生活センターでは、こうアドバイスしている。
「インターネット上には、もうけ話に関する情報が溢れていますが、確実にもうかる話などありえません。特に、事前に内容を確かめることができないオンラインサロンでは、入会したら広告や説明と違ったというトラブルが絶えません。たとえ友人・知人からの話であっても信用せずに、少しでも怪しいと思ったら絶対に事業者へ連絡しないでください」
そして、次の項目に注意しよう。
(1)オンラインサロンを利用する際には、契約前に無料の試用期間の有無、入会費や月会費などの詳細、中途解約が可能かなどの解約条件、サロンの運営事業者情報などを必ず確認する。
(2)トラブルに備えて SNS などのやり取りの記録は消さずに残す。
(3)特に運営事業者の連絡先が SNS のアカウントだけの場合、トラブルが発生したら一切連絡が取れなくなるため要注意だ。
(4)「人に紹介すると稼げる」と言われたり、「聞いていた話をと違う」と不安になったりしたら、最寄りの消費生活センターに相談しよう。消費者ホットラインは「188」(いやや!)番だ。
(福田和郎)