【7月は応援! 五輪・パラリンピック】えっ、防衛庁が円谷幸吉の箱根駅伝出場に「待った」!?

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作家が総動員された前回の東京大会

   さて、前回の東京大会はどう描かれているのだろうか。93か国から5151選手が参加。開会式のスタンドを7万3000人が埋めた。日本列島はオリンピック一色に染まった。テレビ中継もされたが、小林秀雄、松本清張、水上勉ら数多くの作家が新聞や雑誌に、オリンピックについて寄稿した。活字媒体がそれだけ多かったのだ。

   冒頭で触れた円谷の銅メダルについては、1位になった「アベベ・ベキラの前半のスピードについていくことができた」奇跡だった、と書いている。「ただ、国内のムードは『負け』だった」とも。

   次のメキシコ大会への期待が勝手にふくらんだが、「トレーニングについては誰も手を触れなかった」。

   また、東京大会の最大の衝撃は、柔道無差別級の日本敗北であり、「東京オリンピックは柔道とJUDOの分かれ道」だった、と見ている。

   コロナ禍で1年延期になり、一部の競技では無観客開催が検討されている2021年東京オリンピック。開会まで3週間となったが、いまだ盛り上がりに欠けるようだ。どんなドラマが繰り広げられるのか、期待したい。(渡辺淳悦)

「増補改訂オリンピック全大会」
武田薫著
朝日新聞出版
1980円(税込)

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