きょうは40代のSさんです。
「数年前に『ライフシフト』の本を読んで、当時は衝撃を受けました。しかし、実際そのあとに『何か行動を起こしたか』というと、コロナ禍で在宅勤務を体験したくらいで、これと言った変化はありません。将来に危機感を持ちながらも、何をしたらいいのかわからないまま止まっています」
「パラレルキャリア」という考え方
コロナ禍で、さらにキャリアに対しての不安を抱えている人が増えたとも聞きますよね。でも、Sさんのように、不安を感じながらも「何をしたらいいかわからない」「どんな副業ができるかわからない」「副業禁止だから動けない」などなど......。行動につながっていない人も多いです。そこで、オススメなのが「パラレルキャリア」という考え方です。
Sさんもパラレルキャリアという言葉は聞いたことがあると思います。副業や複業と何が違うの? と思われたかもしれませんが、パレラルキャリアとは、「複数の仕事に関わるだけではなく、副業に限らない社外活動」のことを意味します。
ちなみに、このパラレルキャリアの考え方は、経営学者のピータードラッカーが最初に提唱したといわれています。
そして、著作「明日を支配するもの」において、人の寿命が延びた現代では、個人は一つの組織に依存し、時間・労力を集中させるのではなく、今いる組織とは別の「第二のキャリア」を構築すべきだと述べています。
つまり、終身雇用とか年功序列がなくなってきた今、「これからの人生の質を高めて行くための本業以外に時間と労力を費やしていきましょう」ってことですね。 20年前からあった考え方だったのですが、日本ではこの数年のうちに広がってきました。
Sさんが、将来不安に感じながらも一歩踏み出していないのは、変化を起こすためには、本業以外の「収入の入り口を増やすこと」と考えてしまっているのではないでしょうか。
パラレルキャリアは、複業というイメージがあるかもしれませんが、仕事だけでなく、プロボノなどボランティアを含めた社外活動を指しています。必ずしも「お金を稼ぐこと」でなくてもいいと考えると、少し重くなった腰が上がるかもしれませんね。