営業は「5ステップ+1」活動の習慣づけが大事! その中身を「解剖」する(大関暁夫)

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「予備調査」にどう取り組むか!?

   予備調査とは、営業成果の法則でお話しした「営業知識」と基本的にイコールです。なかでも「情報知識」にあたる、相手先情報、相手先の業界情報は不可欠な事前収集事項です。

   なぜならば、予備調査がなければ初対面の場合どこから話を切り出していいものか材料がないからです。すなわち、次のステップ2である相手の懐に割って入るカットインは、予備調査なしにはできないのです。

   ルート営業先で相手との人間関係ができている場合でも、情報提供等によって信頼感をより強固なものにするという位置づけでのカットイン行動は欠かせません。予備調査がなくカットインが進まなければ、ヒアリングもままならず、いきなりセールスをせざるを得ない状況になってしまうのです。それでは成果が上がるはずがありません。

※「営業知識」について
【新連載】営業成果の法則と必須な営業知識を知る! 「基本」はオンラインでも変わらない(大関暁夫) J-CAST 会社ウォッチ2021年2月15日付

   次にステップ2のカットイン。これができなければ相手は心を開いてくれず、たとえば相手のニーズを探ろうとヒアリングをかけても、多くを語ってはくれないでしょう。初対面なら、「今は忙しい」とばかりに門残払いにあうのが関の山です。

   ルート営業でも同じこと。日常的に集めた「情報知識」を活用して情報提供や話題づくりをしているなら、相手の信頼感が増してヒアリングにも丁寧に回答してくれるでしょうが、普段から訪問時は御用聞き並みのやり取りであったり、仕事に関係のない世間話に終始していたりするなら、仮に仕事がらみのヒアリングを仕掛けたとしても、「この担当者に必要以上の情報を話しても無駄」と思われて、話もそこそこに体よく切り上げられてしまうことになるでしょう。

   ステップ3のヒアリングは、最終的な成約につなげるために営業の5ステップの中で最も重要なステップです。これもまた予備調査材料なくして有効なものにはなりません。このステップが最重要であるのは、ヒアリングなくして相手のニーズに合致したセールスや提案は絶対にできないからです。

   結局のところ営業活動で最も成約確率を高めるものは、価格の安さでも押しの強さでもなく、正確なニーズの把握なのです。正確なニーズの把握がないセールス、提案、プレゼンテーションは、営業のほとんどムダ撃ちになってしまうのです。

大関 暁夫(おおぜき・あけお)
株式会社スタジオ02 代表取締役 企業アナリスト
東北大学経済学部(企業戦略論専攻)卒。1984年、横浜銀行に入行。現場業務および現場指導のほか、出向による新聞記者経験を含めプレス、マーケティング畑を歴任。全国銀行協会出向時には対大蔵省(当時)、対自民党のフロントマンも務めた。中央林間支店長に従事した後、2006年に独立。銀行で培った都市銀行に打ち勝つ独自の営業理論を軸に、主に地域金融機関、上場企業、ベンチャー企業のマネジメント支援および現場指導を実践している。
メディアで数多くの執筆を担当。現在、J-CAST 会社ウォッチ、ITメディア、BLOGOS、AllAboutで、マネジメント記事を連載中。
1959年生まれ。
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