ハゲタカやキャピタルゲインではない 「愛ある会社エグジット」とは?【尾藤克之のオススメ】

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深刻な後継者不足、127万社が廃業の危機

   経済産業省の調査『平成29(2017)年中小企業・小規模事業者の生産性向上についてに』によると、2025年までに、全国の中小企業のうち、後継者不足によって127万社が廃業の危機にあるとの予想が示されています。

   吉田さんは次のように解説します。

「127万社というのは、実に中小企業の3分の1という驚くベき文字です。その時までに、通常であればリタイアを考える0歳以上の社長の数は約245万人になります。その約半数が『後継者未定』と回答しており、それが廃業の危機を抱えている企業群なのです。、会社の存続は、業績より、『後継者の有無』にかかっていることになります」

   本書は、「会社売却のメリット」「行動に移すためのポイント」の2構成に分かれています。自らが手塩にかけて積み上げてきた事業を手放すのは勇気がいることです。しかし、誰かが形を変えて引き継ぐことで存続するなら事業と雇用を守ることができます。

   エグジットには、ハゲタカファンドやキャピタルゲインなどの後ろ向きな意味がついて回りますが、本書で解説している会社エグジットはまさに「愛」です。会社を引退した後は余生ではなく、次の人生のスタートです。そのためには、自社の姿をきちんととらえる必要があります。会社エグジットは会社存続のベストな選択であるといえるのです。(尾藤克之)

尾藤 克之(びとう・かつゆき)
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。著書は『最後まで読みたくなる最強の文章術』(ソシム)など19冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も連載中。
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