菅首相は米国メディアに厳しくできるか?
ネット上では、米有力メディアの「集団直訴」について、こんな意見があふれている。
「バッハ会長らIOC貴族が広島と長崎を訪れるという。競技場と宿舎だけを行き来するはずの五輪ルール破りを自ら言い出すのだから、海外メディアの人々が当たり前に行動制限に文句を言うのは自明の理でしよう。すでに五輪ルールブックは破たんしています」
「やっぱり米国メディアは、日本で我がまま勝手に取材すると言ってきましたか。パンデミックのさなかに五輪を開催するな、危険だから中止しろと言っておきながら、開催するとなれば手のひら返しで取材に来る。それも『報道の自由』を盾に取材活動に制限をかけるな、と言うのだから始末が悪い。感染が拡大したら『日本のコロナ対策が脆弱だった』とか言いがかりを付けてくるのでしょう。これがアメリカ人の自由と権利の本質だと思う」
「同調圧力に弱く、生真面目でルールに従う日本人と、外国人ではコロナに対する考え方が違うことがよくわかる。暑くても我慢してマスクしている日本人。ほとんどの外国人はマスクと自粛を嫌う。日本人なら黙って行動制限に従うから、外国人にも同じ論理が通用すると思ったのが甘すぎる。菅首相が安全・安心の根拠においている、オリパラでのバブル方式は、破たん間違いなしですね」
「今頃になって主要な米国のマスコミが騒ぐのは、来日した際のルールが徹底していなかったのか、それとも日本の対応を見て騒げば何とかなると思ったのか。これがロシアや中国のようなコワモテの国なら、こんな上から目線の抗議文を出さなかったはず。いずれにしても日本が米国に甘い顔を見せれば、他の国のメディアも追随してくるので、ここは政府や組織委は絶対に譲ってはいけない。こんな連中に自由気ままに歩き回られたら、コロナ対策など一発で吹き飛んでしまう」
「いやー、日本政府は折れるかもよ。何しろ米国のテレビ中継のために、アメリカ時間に合わせて競技するくらいだから。そんな程度のオリンピックさ」
米国のメディアだけの問題ではない。日本のマスコミも同じだという意見が非常に多かった。
「人流について批判しながら、あちこちで路上インタビューをやりまくるテレビ局。医療のひっ迫を声高く叫びながら、多忙な病院に取材で乗り込んで対応させる新聞社。外国選手団のバスに乗り込むテレビ局。インタビューを受ける東京都民にとっては、ワクチン未接種の日本人記者よりも、ワクチン接種済みの米国人記者のほうが、安心安全かもしれませんね」
最後にこんな意見を紹介したい。
「軍事政権ではないのだから、メディア関係者には自由に闊歩してもらい、報道させるのが本来の五輪の報道のあり方なのだと思います。それを禁止するなら五輪なんかやる意味がないのですけど」
(福田和郎)