AFP記者「もちろん日本の人々も取材する」
なんとも心もとないが、報道陣が海外から続々と入国してきた。記者たちはルールを守ってくれるのだろうか。
朝日新聞(7月2日付)「行動制限、悩める海外メディア『競技も街も取材したい』」が、記者たちの多くが最初から市中の人々の取材もする気で来ていることをこう紹介する。
「フランスのメディア、AFP通信の取材班を統括するビンセント・アマルビーさんは、入国後2週間の隔離を終えたばかりだ。取材班10人が来日しているが、『準備が遅れている。これからやらなければいけないことがたくさんある』と語る。通常の五輪では記者や技術スタッフなど計約200人が現地入りするが、今回は2割ほど減らした。一方、競技以外の街の様子などを取材する記者を20人ほど配置する。『今回の五輪取材で大事なのは競技だけではない。日本の人々が五輪をどう受け止めているのかを取材したい』と話す」
スタッフには、組織委が行動ルールをまとめたプレイブックを順守するよう呼びかけているが、アマルビーさんはこう語った。
「解釈の難しいルールもある。特に、提出が義務づけられている行動計画書に何をどこまで書けばいいのかが悩ましい。記者はどこかで何かが起きれば現場に行くし、状況に応じて取材の方法も変わる。柔軟性が確保できるのか少し様子を見たい」
一方で、各国の五輪代表団が続々と来日するなか、日本人記者たちの「ルール破り」も始まった。デイリースポーツ(7月2日付)「丸川五輪相、選手への近接、バス乗り込みの報道陣に苦言『行き過ぎた取材。節度を』」が、お恥ずかしい日本人記者の行動をこう伝える。
「7月1日から各国選手団の来日が本格化。11の国・地域から166人が入国した。丸川珠代五輪相は一部メディアが選手への近接、また選手の乗ったバスに入り込んでの取材があったとして、『行き過ぎた取材があったと聞いている。感染症対策においても、安全確保の面においても、報道機関各社には節度を持って取材をしていただくようお願いしたい』と苦言を呈した」