コロナ禍でナショナリズムは高揚している?
弓狩さんは、「おわりに」で、新型コロナウイルスが戦後最大のパラダイムシフトを引き起こすことが容易に想像できるとして、感染終息後、国家という枠組みそのものが様変わりする可能性も大いに秘めている、と期待している。
だが、各国のコロナウイルスへの対応を見ていると、国単位での取り組みが比較されるなど、ますますナショナリズムが高揚しているような気もする。
人類はナショナリズムを克服できるのか、東京オリンピックでの国旗や国歌への対応が、そのバロメーターになりそうだ。
(渡辺淳悦)
「国旗・国家・国民」
弓狩匡純著
KADOKAWA
990円(税込)