暗号通貨に投資する学生トレーダーは、中国の動向が気になる様子。そんななか、明治大学の城正人さんは中国のマイニングへの規制開始とオプションの期日を材料に検討。イーサリアムに投資した。同志社大学のしがないトレーダーさんも、中国のマイニング規制がハッシュレートの暴落につながったことに着目。ただ、レンジ相場続くなか、「私の考えは変わらず、このレンジ相場を抜けるまでは取引をするつもりはない」と断言する。
一方、そうした中で職業能力開発総合大学校のさっちんは、ビットコインを購入。しかし、就職活動の最終面接などで忙しくなったことで、取引を放置。「損失は大きいがリセット」を決断した。
イーサリアムに投資、その結果は?(明治大学 城正人さん)
今週は気になるニュースが2点あり、実際に投資を検討する材料となりました。1点目はマイニングへの規制で2点目はオプションの期日についてです。
◆ マイニングへの規制
中国によるマイニングへの規制が始まったと報じられ、今回は口先だけのものでなく実際にマイニング業者が閉鎖を迫られているようです。すでにその影響は現れていてマイニングの計測単位である「ハッシュレート」は直近で急落しています
以前、コンセンサスアルゴリズム(合意形成の仕組み)について紹介した記事中(「揺れるビットコイン相場に同志社大と明大は動かず 職業大が滑り出し好調(第2節)【暗号通貨バトル Aグループ】」J-CASTニュース 会社ウォッチ 2021年6月11日付)にあるように、現状ビットコインやイーサリアムをはじめ、多くの暗号通貨PoW (Proof of Work)を導入しています。この方式では、より多くの人が大量に計算(マイニング)を行ったほうが、信頼性が高まります。
したがってハッシュレートの低下という事態は、暗号通貨に対して大きなダメージになり得ます。しかし、現状中国などの電力の安い国に大型マイニング施設が集中しています。特に、中国に集中していることは政治的な面からも予測不能な事態を引き起こす可能性があったため、今回の規制によってマイニング施設が各国に分散していくことはデメリットしかないとは言い切れないのではないでしょうか。
さらに、中国は毎年のように暗号通貨への規制を強めると発表していますから、恒例行事と化しています。したがってこういった場面はむしろ買い場であると考えました。
◆ オプションの期日について
オプションとはある指定された価格で売買する権利のことですが、株式や債券と同様に暗号通貨市場においても存在します。一般的にオプション、先物の精算が行われるSQ日には、相場は荒れやすいといわれます。
イーサリアムにおいては、6月25日に15億ドル分のオプションが満期を迎えるため、今回も荒れることが予想されました。私の見立てでは、6月25日のSQ(日本時間で26日17時頃)までにかけて、イーサリアムの価格は急落する可能性が高く、それ以降は相場が転換するのではないかと考えました。
もちろん、少々抵抗線を割っているのでチャートが完全に良いというわけではありませんが、リスクリワードの良い投資だと考え投資を決断しました。
以上の2点の理由から、イーサリアムに投資することを決めました。購入した数量としては、0.035ETHを7245円で購入しました。結果から言うとSQの時間まで待てばもう少し安価に購入できたのが悔やまれます。
評価額は1万360円。プラス360円です。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
この週は、中国のマイニング規制の影響から、ビットコインのハッシュレートが急落。仮想通貨相場全体が大きく下落しました。マイニングに使われる電気は、一部で中国の工業用電気などの経済活動を圧迫するほど利用されており、その影響が今回の規制へとつながったのではないかとされています。ただ、一部の水力発電所ではマイニングでの利用がメインであったため、早々に閉鎖に追い込まれるようなところもあるそうです。
マイナーの多くは、海外へのマイニング誘致説明会などに参加しており、早々に拠点変更が行われるものと予想されています。
保有する暗号通貨 イーサリアム
前週からの損益 プラス360円
6月25日現在 1万360円