発症原因はまだはっきりとはわかっていない
――「乾癬」は症状によって、処方する薬や治療法は違うのでしょうか。
小野さん「治療法には大きく分けて、塗り薬、飲み薬、光線療法、注射剤の4種類があります。乾癬は患者さんによって症状の出る部位や重さが異なりますが、これら4種類の治療法をそれぞれの症状や重症度、治療効果、治療目標、ライフスタイルなどを考慮して、単独あるいは組み合わせて治療を行います」
――「乾癬」に罹りやすい人、そうでない人はいますか。また乾癬にかかりやすい場所や行動など、気をつけたほうが良いことを教えてください。
小野さん「乾癬の発症原因はまだはっきりとはわかっていませんが、もともと乾癬になりやすい遺伝的な要因をもった人がいて、そこに食生活や生活習慣などの、さまざまな環境的要因が複雑に関与して、免疫バランスの異常(炎症)が起こり、乾癬の発症につながると考えられています=下図参照。
『遺伝的な要因』とは、その人が生まれ持った体質で、乾癬になりやすい遺伝子があると考えられています。家族に乾癬を発症する割合は、欧米では20~40%程度、日本では4~5%程度と言われています。
『環境的な要因』として、生活習慣の乱れ(栄養の偏った食事や睡眠不足など)、ストレス、飲酒、喫煙、ケガや感染症、薬剤の使用などの外的な因子と、糖尿病、高脂血症、肥満などの内的な因子があります」