すれ違っただけで感染するインド型変異株 ルール破りのIOCと組織委に東京五輪を任せられるか!(2)

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自らルール違反するIOCと組織委幹部たち

どうなる東京五輪(国立競技場)
どうなる東京五輪(国立競技場)

   ワクチン効果が最悪で5分の1に下がるというのだ。デルタ株でさえすでに日本に侵入しているというのに、こんな厄介な変異ウイルスが、東京五輪を契機に南米方面から入ってきたらどうするのか。

   そんななか、水際作戦で変異ウイルスの侵入を何が何でも阻止しなくてはならないはずのIOC(国際オリンピック委員会)と東京五輪組織委員会幹部の緊張感のなさを東京新聞が告発した。自らが制定した「感染防止のルールブック」を全然守っていないというのだ。

   東京新聞(6月29日付)「IOC関係者ハグ、橋本会長、近距離で談笑 幹部ら五輪規則どこへ」で、原田遼記者が署名入りでこう書いた。

「東京五輪・パラリンピックの選手・関係者らの行動ルールを定めた『プレーブック』。新型コロナ感染対策のため、ハグの禁止や社会的距離の確保などを列挙しているが、先週、橋本聖子会長ら大会組織委のメンバーやIOCの幹部らがルールをおろそかにする場面を東京都内で目撃した。『大物』だからといって、守らなくていいわけはない。選手や観客にルール順守を求めるなら、まず自分たちが範を示すべきだ」

   具体的には、こんなルール違反を犯したという。

「有明体操競技場にワゴン車2台が寄せられた。視察に訪れたIOCのコーツ調整委員長、ギラディ調整副委員長、デュビ五輪統括部長の3人が車内から出てくると、橋本聖子会長ら数人の組織委幹部らが肘タッチで出迎えた。それだけにとどまらず、ギラディ氏は顔なじみの職員を見つけると、がっちりハグを交わした。とがめる人は誰もいなかった。その後、橋本氏とコーツ氏は肩を寄せ合って談笑した」

   残念ながら原田記者はこのシーンを撮影できなかった。彼らはカメラマンがいる競技場に入ると、互いに距離を保ったのだ。原田記者はこう続ける。

「プレーブックには『選手向け』『オリンピック・ファミリー(IOC委員ら)向け』『メディア向け』などに分かれているが、共通して『ハグや握手などの接触を避ける』『人との距離は1メートルを確保する』とイラスト入りで紹介している。私は6月25日の定例会見で『違反行為ではなかったか』と質問すると、橋本会長は『離れなければいけなかった。(選手らに)お願いする以上、主催者がより徹底した行動管理をしないといけない』と釈明した。同僚がしていたハグは『したかどうか分からない』と言葉を濁した」

   原田記者は、こう結んでいる。

「『それくらい、いいのでは』という意見はあるかもしれないが、厳しいルールを作ったのは当人たちだ。組織委は『違反した場合は資格停止などの措置を取る』とするが、ルールをおろそかにする主催者がどうして処罰をできるだろうか。この日の会見でもいつも通り『安全、安心』という言葉を繰り返したが、その前にプレーブックの熟読と順守が必要だろう」

   まったくの正論だ。こんな主催者幹部たちに任せて、変異ウイルスの猛攻撃を防ぐことができるのか。日本はお先真っ暗ではないか。

(福田和郎)

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