神様の行動には「条件」がついている
まずは、スーパーに買い物に行くのは面倒なので、欲しい商品を持ってきてもらいましょうか。配達サービスをやってないなら、誰か店員さんに持ってこさせてくださいよ。お客様は「神様」ですからね。
あと、そうだ、先日スーパーで買ったお菓子がマズかったので、取り替えてもらいましょう。マズいものを売っているほうがわるいわけだし、なんてったって私は「神様」なのですから。
いやまてよ。そもそも「神様」なのだから、商品は全部タダにしてもらえばいいのでは? これは名案! 「神様」としての権限をフルに使って、商品を全部タダにしてもらいましょう。そうすれば、何でも手に入るし、お金は減らないし。まさに天国。神様バンザイ!
......などといろいろ妄想してみましたが、いくら「神様」とはいえ、妄想を進めているうちに、さすがにムリがあるような気がしてきました。「神様」になっても、いくつか条件はついてくるようです。
「お客様は神様です。しかし、条件つきです」
・配達サービスのないスーパーで買い物したいなら、自分で足を運ぶこと。
・一度買ったお菓子は、マズいという理由だけで返品しないこと。
・商品が欲しいときは、ちゃんとお金を払うこと。
なんか、神様っぽくない気がしますが、3つくらいの条件なら良しとしましょう。
じゃあ、お金は払うので、全商品を半額にしてもらうというのはどうでしょう? 折衷案ということで...... ムリか。条件に「全商品を半額にするのもダメ」と追記しましょう。ならば、全商品を3割引に...... というのもムリですね。
「神様」なのに、なぜだろう?? 妄想しながら、そんなひとりごとを繰り返すうちに、疑問を見事に解消してくれる名回答が浮かびました。
「そうか。お客様は、『神様』なんかじゃないんだ」
(川上敬太郎)