お客様は、ホントに神様なのでしょうか?【vol.1】(川上敬太郎)

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神様の行動には「条件」がついている

   まずは、スーパーに買い物に行くのは面倒なので、欲しい商品を持ってきてもらいましょうか。配達サービスをやってないなら、誰か店員さんに持ってこさせてくださいよ。お客様は「神様」ですからね。

   あと、そうだ、先日スーパーで買ったお菓子がマズかったので、取り替えてもらいましょう。マズいものを売っているほうがわるいわけだし、なんてったって私は「神様」なのですから。

   いやまてよ。そもそも「神様」なのだから、商品は全部タダにしてもらえばいいのでは? これは名案! 「神様」としての権限をフルに使って、商品を全部タダにしてもらいましょう。そうすれば、何でも手に入るし、お金は減らないし。まさに天国。神様バンザイ!

   ......などといろいろ妄想してみましたが、いくら「神様」とはいえ、妄想を進めているうちに、さすがにムリがあるような気がしてきました。「神様」になっても、いくつか条件はついてくるようです。

「お客様は神様です。しかし、条件つきです」

・配達サービスのないスーパーで買い物したいなら、自分で足を運ぶこと。
・一度買ったお菓子は、マズいという理由だけで返品しないこと。
・商品が欲しいときは、ちゃんとお金を払うこと。

   なんか、神様っぽくない気がしますが、3つくらいの条件なら良しとしましょう。

   じゃあ、お金は払うので、全商品を半額にしてもらうというのはどうでしょう? 折衷案ということで...... ムリか。条件に「全商品を半額にするのもダメ」と追記しましょう。ならば、全商品を3割引に...... というのもムリですね。

   「神様」なのに、なぜだろう?? 妄想しながら、そんなひとりごとを繰り返すうちに、疑問を見事に解消してくれる名回答が浮かびました。

   「そうか。お客様は、『神様』なんかじゃないんだ」

(川上敬太郎)

川上 敬太郎(かわかみ・けいたろう)
川上 敬太郎(かわかみ・けいたろう)
ワークスタイル研究家
男女の双子を含む、2男2女4児の父で兼業主夫。愛知大学文学部卒業後、大手人材サービス企業の事業責任者を経て転職。業界専門誌「月刊人材ビジネス」営業推進部部長兼編集委員、広報・マーケティング・経営企画・人事部門等の役員・管理職、調査機関「しゅふJOB総合研究所」所長、厚生労働省委託事業検討会委員等を務める。
雇用労働分野に20年以上携わり、仕事と家庭の両立を希望する「働く主婦・主夫層」の声延べ4万人以上を調査・分析したレポートは200本を超える。
NHK「あさイチ」、テレビ朝日「ビートたけしのTVタックル」などメディアへの出演、寄稿、コメント多数。
現在は、「人材サービスの公益的発展を考える会」主宰、「ヒトラボ」編集長、しゅふJOB総研 研究顧問、すばる審査評価機構株式会社 非常勤監査役、JCAST会社ウォッチ解説者の他、執筆、講演、広報ブランディングアドバイザリー等の活動に従事。日本労務学会員。
1973年生まれ。三重県出身。
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