20年以上続けてきた会社員生活に区切りをつけて「主夫」となり、個人事業主として仕事も続ける兼業主夫の生活。家族6人分の洗濯や料理などを毎日繰り返していると、「しんどいな」とか「腰が痛いな」と思うことがしょっちゅうです。
しかし、これまで20年以上もそれを妻がしてくれていたのだと思うと、弱音を吐こうという気持ちもなくなります(今のところ)。子どもが小さいころは、もっともっと大変だったはずです。こんなことでくじけていてはいけません。
「神様」は酷い仕打ちもする
そんな根性なしの私が、兼業主夫になることで楽しみにしていたことがあります。
それは、「お客様」になれること。主夫は、その家庭の消費者の代表でもあります。買い物に行けば、お客様として消費する立場。これまでは仕事に明け暮れ、生産者としての立場が軸だっただけにとても新鮮な感覚です。
兼業主夫になって、新聞の読み方も変わりました。真っ先に1面トップに目をやっていたのが、今はまず折り込みチラシ。
「おっと、今日はなじみのスーパーでお肉の特売日ではないか」
そんな情報を一通りチェックしてから、1面トップに目をやります。消費者として「何を買うか」という目線から情報収集し、生産者として「何を提供するか」という情報収集へ移る流れです。
その立場の転換が新鮮であることも大きいのですが、それよりもっと大きな楽しみだったこと。それは、「神様」への昇格です。
「お客様は神様です!」
社会に出てからというもの、一貫してそのように教えられてきました。主夫になるということは、ついに私にも「神様」になる日が訪れたということです。
これまで「神様」からはたくさんの恩恵を受け、たくさん感謝してきました。
一方で、時に「神様」から酷い仕打ちも受けてきました。今ではカスハラ(カスタマーハラスメント)という言葉がありますが、社会に出て「神様」との付き合いが始まったのは、そんな言葉が影も形もないころです。
嫌がらせとしか思えない無理難題。侮辱的な言葉。夜中に唐突な呼び出し......。
酷い仕打ちも、「神様」なのだからと飲み込むことができました(時々、できない時もありましたが)。そんな「神様」に、自分がなれる日がくるとは!
さて、「神様」となったからには、何をしましょうか。