夏のボーナスを支給する中小企業の8割が、前年(2020年)と同等以上の金額を支給する予定であることが、求人情報サービス大手、エン・ジャパン株式会社の調べでわかった。
同社が従業員数299人以下の企業の人事担当者を対象に、「2021年の夏季賞与」についてアンケート。6月18日に発表した。調査した中小企業全体の8割が「支給予定」と答えている。
「流通・小売関連」は93%が支給予定あり
調査によると、2021年の「夏季賞与」について支給予定の有無を聞くと、80%が「予定あり」と回答。「支給しない」は14%、「わからない」が6%だった。
「支給予定あり」の回答が高かった業種は、「流通・小売関連」の93%、「メーカー」は91%、「商社」89%、「不動産・建設関連」89%だった。一方、「支給しない」と回答した業種は、「IT・情報処理・インターネット関連」が38%で最も高かった=下のグラフ参照。
支給予定がある企業に、支給額の前年との比較を聞くと、47%が「変わらない予定」。「増額予定」は28%で、また「支給額は変わらないが、決算賞与を支給予定」という企業が3%あり、合わせて78%が前年と同等かそれ以上の金額を予定していることがわかった。
「増額予定」の業種をみると、「サービス関連」(36%)や「メーカー」(30%)、「商社」(29%)、「不動産・建設関連」(29%)が高かった。「増額予定」の理由 (複数回答)をみると、1位が「社員の意欲向上」で67%、2位が「業績が好調」の59%、やや離れた3位に「離職・退職の予防」23%が挙げられた。
一方、夏季賞与の支給に関する「悩みや問題」の1位は、「社員への評価・賞与の査定基準への悩み」が40%でトップ。20年12月の冬季賞与に関する調査では、「新型コロナウイルスによる業績への影響の長期化」が44%でトップだったが、今回の調査では13ポイントダウンして31%だった。
なお調査は、2021年6月1日~14日に、「人事のミカタ」のウェブサイトを利用する、従業員数299人以下の企業の人事担当者に対して実施。333社から回答を得た。