コロナ封じ込め策の「抜け穴」を暴露した?
今回のウガンダ選手団のコロナ陽性判明は、これから選手団の派遣を予定している各国に衝撃を与えているようです。米紙ウオールストリート・ジャーナルは「東京五輪のプロトコルに意義を申し立てた」と、速報で報じました。
Positive Tests in Uganda Olympic Delegation Challenge Protocols for Tokyo Games(ウガンダ五輪選手団のコロナ陽性判明は、東京五輪のプロトコルに意義を申し立てた)
「challenge」(チャレンジ)は、動詞で「意義を申し立てる」「盾突く」「正当性を疑う」といった意味で使われます。記事では、今回のウガンダ選手団の陽性判明が、「revealing potential holes in plans to contain the virus during the Games」(大会中のコロナ封じ込め計画の潜在的な抜け穴をあらわにした)と、伝えています。
東京五輪の「水際対策」では、出国前PCR検査の陰性証明が「メイン施策」であるものの、潜伏期間が2日から2週間のため、ウガンダ選手団のように「今後も飛行機に搭乗前は陰性でも入国後に陽性になる可能性は多いにある」と指摘。
機内での感染リスクや、さらに、事前合宿地を経ずに選手村に直行する「開幕直前入国組」のリスクを懸念しています。「200を超える国からのアスリートが密集する選手村。とりわけ食堂など屋内での密集状態でどうなるのか」との指摘に、思わず背筋が寒くなってしまいました。
それでは「今週のニュースな英語」は、米ウオールストリート・ジャーナルの記事から「challenge」(チャレンジ)を使った表現を取り上げます。動詞で使うと「意義を申し立てる」といった意味になります。
Please challenge anything in my report
(私の報告書に意義を申し立ててください=悪い点を批判して下さい)
I challenged your statement
(あなたの発言を疑わしいと思った)
I challenged you about the fairness of your statement
(あなたの発言が公平かどうか疑わしいと思った)
アフリカの小国ウガンダが「challenge」した東京五輪の「水際対策」。「安心安全な大会の開催」を国際的に約束した菅首相はどう対応するのでしょうか? 開幕までカウントダウンが進むなか、世界中の注目が集まっています。(井津川倫子)