新型コロナウイルスのワクチンを接種したお客を対象に、料金の割引などさまざまな優待を行う企業が広がってきている。
生ビール1杯を無料サービスするレストランや、大規模接種会場に向かう高齢者に特別プランを提供するホテルもあり、ワクチン接種を消費拡大のきっかけにしたいという企業の思いが強まっている。
ワクチン接種証明書で1杯無料、ワタミ11月まで何度でも!
外食大手のワタミは、全国にある居酒屋や焼き肉、レストランなどすべての店舗で、ワクチンを2回接種し、その証明書を提示したお客に生ビールやハイボールなどワンドリンクを無料で提供する取り組みを始めた。6月からスタートし、11月まで続ける予定で、期間中は何度でも利用できるという。
コロナ禍で外出自粛を余儀なくされるなか、「家飲み」や「オンライン飲み会」が広がり、外食企業は苦境に立たされている。ワタミは、「ワクチン接種を完了した方から順に、コロナ禍以前のような『外食』文化を取り戻してほしい」と呼びかけており、業界全体を盛り上げたい考えだ。
国際観光日本レストラン協会奈良支部でも、加盟団体が一丸となって割引サービスを実施するなど、ワクチン接種者への優待は全国に広がっている。
量販店でもさまざまな対応が始まっており、家電量販店大手のノジマは、ワクチン接種を1回以上実施した65歳以上の高齢者に対し、手持ちのパソコンやスマホの使い方などの悩みに応じる調子見料金(税込み2200円)について、8月末までは無料で受け付けることとした。「少しでもコロナ前の日常を取り戻してほしい」といい、ノジマを利用したことのないお客も取り込みたい考えだ。