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インドに出現した恐怖の新種「デルタ・プラス」とは

   こうしたなか、恐ろしいニュースがインド型変異株(デルタ型)のお膝元、インドから飛び込んで来た。その名も、デルタ型よりもっと強力な「デルタ・プラス」という新種の変異株が現れたというのだ。

   BBCニュース(6月23日付)「Delta plus:Scientists say too early to tell risk of Covid-19 variant(デルタ・プラス:科学者は、この変異ウイルスの危険性を語るのはまだ早すぎるというが...)」が、この謎のウイルスをこう伝える。

「インド保健省はこのほど、ヨーロッパで新たに特定された新型コロナウイルスの変異株を『注目すべき変異株(VOI)』から『懸念される変異株(VOC)』に格上げした。インドでは新型ウイルスの変異株について、感染力の高さ、重症化の度合い、抗体や治療、ワクチンへの反応などの条件を少なくとも1つ満たした場合、変異株の危険レベルを格上げすることになっている」

   インドでは今年(2021年)4月、マハラシュトラ州とケララ州などで初めて新種の変異株の報告があった。22件のうち16件はパンデミックが特にひどいマハラシュトラ州で見つかった。そして、この変異株は先にインドで特定され、全世界80か国に猛威を振るっている、いわゆる「インド型株」(デルタ株)と関連しているため、「デルタ・プラス」と名付けたというのだ。

   インド保健省は、この新しい変異株「デルタ・プラス」(正式名AY.1)について、デルタ株より感染力が高く、肺胞に取り付きやすいという研究結果を発表した。そしてデルタ・プラスは、これまでに米国、英国、ポルトガル、スイス、日本、ポーランド、ネパール、ロシア、中国で見つかっているという。日本にすでに入っているというわけだ。

   しかし、BBC放送が取材したウイルスの専門家たちは、インド当局の発表に懐疑的だ。こう続ける。

「しかしウイルス学者の間では、デルタ・プラスを危険視することに疑問の声も出ている。この変異株が、他の変異株に比べて感染力や重症化リスクが高いというデータは出ていないためだ。英王立協会のウイルス学者、ガダンディープ・カン博士は『22件の報告では、VOCへの指定を支持できるようなデータは出ていない』と説明する。米ルイジアナ州立大学のジェレミー・カミル博士も『世界的に共有されているデルタ・プラス166例の遺伝子データを見ても、元のデルタ株よりも危険だとする理由は見当たらない。デルタ・プラスは以前に新型コロナを発症した人、ワクチンによる免疫が低かったり不完全だったりした人たちの間で、少しだけ感染力が高いのかもしれない』と語る」
「デルタ・プラス」という新種インド型を報じるBBC放送電子版(6月23日付)
「デルタ・プラス」という新種インド型を報じるBBC放送電子版(6月23日付)

   いずれにしろ、BBC放送はカミル博士の次の言葉で結論付けている。

「私はしばらく静観する。インド政府は、デルタ株の時のように後から不意打ちを受けるよりも、現時点で過剰に反応したほうがよいと考えたのかもしれない。デルタ・プラスについて余計な心配はしていないが、注目しておくべきだと思う」

   しかし、少しのん気すぎないだろうか。一応、インド当局が正式に危険だと発表しているのだから。

(福田和郎)

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