「法人税の減税論議は国際的に進んでいるのに...」
ネット上では、立憲民主党らが進めようとしている「消費減税」について、こんな批判があふれている。
「減税分の財源を示して、消費減税の是非を問うというのならわかるのだけど、あくまで『目標』という言い方だと、端から『できない』ことを前提にしていて、有権者を舌先三寸で騙すつもりなのではないか。こんなことでは、政権交代は夢の又夢」
「相変わらずできもしない夢物語をささやいて選挙を戦うつもりか。日本人は一度あなた方にだまされたから、二度もだまされない。ちょうど今しがた国道を立憲の街宣車ががなりたてていたが、聞いてみると与党の失政を挙げたあと、『さ~、みなさん! そろそろ政権交代しませんか?』だと。その間に何か抜けていないか。あなたたちはどういう政治をするのか。実現性はともかく、マニフェストを掲げていた以前のほうがまだましだったね」
立憲民主党の姿勢はともかく、消費税減税の議論は進めるべきだという声は多かった。
「消費税減税について真面目に議論することはよいことだ。しかし『あくまで目標』などと曖昧な表現にするのは、達成できなかった時の言い訳を今から準備しているとしか聞こえない。消費減税後でも安定した社会保障政策をどう回すのか、具体案を示さず揚げ足取りの政権批判ばかり。そんなことだから立憲は支持されないのだ」
「消費税にしても単純に何%に設定するかの問題ではなく、お金の使い方、集め方をどうデザインするか総合的に示して欲しい。どのような日本にしたいのか経済・教育・行政・司法・軍事・税務・地方自治...それらに想定される世界観を示したうえで実現に必要な費用をシミュレーション、そのうえで必要経費をいつ・どこから・どのような手法で徴収するのかを示してください。その結果として消費税率が決まると思います」
「たとえ目標であったとしても消費税減税を打ち出したこと、そのことは評価できる。だがしかし、今の消費税率10%は元はと言えば枝野さんが与党だった頃の民主党政権が突如として言い出したこと。まずは目標設定の前に国民に謝罪することが先だろう」
一方で、消費減税に反対する意見も非常に多かった。
「消費税はある意味、悪くないことですよ。お金を使える人から税金を取る。税金を払いたくなければお金を使わなければよいので、じつに公平な税制だと思う。しかし、問題は使い方、そして税の掛け方。ほとんどの国民が納得する使い方をしてくれれば税率は高くてもよいと思う。税率も日用必需品は低く、贅沢品は高く掛けてくれればさらに納得できる。この2点が実現できないから消費税に反対する論調になる。野党も減税、減税と人気取りをするが、しっかりした使い方を公約に掲げるほうがより実情に即している。10%でも有効に使うなら賛成、5%でもムダ遣いするなら反対ですよ」
「高齢化社会に向けて医療、福祉、年金の財源確保のために導入されたはずですが、医療も福祉も見に見えた向上はなく、年金も不足して支給開始年齢を実質70歳とすることが検討されています。消費税による税収は一体どこに消えているのか。そこから明らかにしてほしい。明らかにしたうえで本当に足りないならば、あえて減税する必要はありません」
最後に、消費減税の議論に法人減税の動きをからめた、こんな意見を紹介したい。
「G7首脳会議(サミット)をはじめ、最近の国際会議では法人税の減税競争の抑制が必ず議題に上がる。法人税を上げると自国企業が国際競争に負けるし、法人税が低い国外に逃げてしまうからどの国も法人税を下げたくて仕方ない。しかし、それをやると減税競争に歯止めがかからないので、国際的に最低ラインを決めようという話。法人税率を下げても、企業が儲かれば税収が増えるわけだから、そのほうがトータルで見ればプラス。高額納税者もあまり累進課税をすると国外に逃げてしまうから、同じことがいえる。いま一番ひどい扱いをされているのが、ある程度の所得があるが国外に逃げ出す余裕はない年収1000万~3000万円くらいの層。このへんからもっと税収をという考え方もあるが、頑張った人をいじめる世の中がよくなるとは思えない。結局、そのためには消費増税しかないのかな」
(福田和郎)