「声を上げる」文化を根付かせる
さて、みずほ銀行の話に戻ります。今回、第三者委員会が指摘している「自分の責任問題となるリスクを避けるため、積極的に声を上げることをためらいがちな企業風土」という部分には、これはみずほ銀行だけの問題ではなく、中小企業を含めた多くの企業でありがちなことであると感じました。
「このままではまずいかもしれない」と思いながらも見て見ぬふりをする、そのままスルーするということが、結果的に大きな問題やトラブルにつながってしまったケースを、私自身が多数目の前で目撃してきているからです。
結論として、私は何かあった時に自分の責任であるか否かに関わらず、まず「声を上げる」、という文化を組織内に根付かせるということの重要さを実感しています。企業という単位でなく、事業所単位でも同じことです。
この「声を上げる」という文化を根付かせる方法として、「騒ぐ化」の徹底という表現で実践し、軌道に乗せていた方がいました。新興市場上場の精密機械メーカーをお手伝いしていた時に、5000人規模の中国工場で製品の不良率を圧倒的に押し下げることに成果を上げていた工場長です。
彼は日本企業が中国へ製造拠点進出して間もないころから、日本を代表する大手電機メーカーの中国工場でいかに製品の不良率を下げるかに腐心し、たどりついた方法がこの「騒ぐ化」の徹底であったといいます。