販管費抑え、早期退職、開発費の増額に市場は好感
一方、経営効率化については業務のデジタル化の進展などにより、2026年3月期の販売管理費を2021年3月期と同水準の約3900億円に抑え、販管費率を同期間に31%から21%に低下させる。研究開発費については2021年3月期の2240億円から2026年3月期に約3500億円へ増やすとした。
経営計画の発表後、その内容の具体化とも言える発表が続いた。6月3日には450人を想定人員として希望退職を募集すると発表した。中期経営計画の実行に必要な組織などの見直しを行った結果、「早期退職優遇制度」を導入するとし、退職日は2021年12月末日。2021年3月期は減益ながらも1205億円の最終利益を確保し、2022年3月期に2090億円の最終利益を見込む中での人員構成の見直しを市場は好感した。
6月17日にはピーナツアレルギー向けワクチンの開発を中止すると発表。これに伴い、無形資産の減損損失215億円を計上する。短期的には結構な規模の損失となるが、中長期的には「時価総額7兆円」に向けた有効な施策だと受け止められ、株価を押し上げたようだ。
(ジャーナリスト 済田経夫)