東京五輪水際対策「お先真っ暗!」日本を甘く見る英国、「差別だ」と猛抗議するインド(1)

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   東京五輪・パラリンピックの開催までちょうどひと月。本来あってはならないことが起こった。東京五輪に出場するウガンダの代表選手団から新形コロナウイルスの陽性者が見つかり、水際対策が「ザル」であることが明らかになった。

   その一方で、水際対策を厳しくしたインドから「差別だ」という抗議を受けるありさま。さらに、ある大国が裏から水際対策の手抜きを日本政府に画策しているという。大丈夫か、ニッポン?

  • 各国選手が集う選手村のイメージ(大会組織委の公式サイトより)
    各国選手が集う選手村のイメージ(大会組織委の公式サイトより)
  • 各国選手が集う選手村のイメージ(大会組織委の公式サイトより)

ワクチン2回接種でも陽性者が出る理由は?

   あってはならないことが起こった。東京五輪に出場する東アフリカ・ウガンダの代表選手団が来日したが、選手団の1人に新型コロナウイルスの陽性者が見つかった。それだけではない。陽性者の濃厚接触者を調べもせずに、残りの選手団が宿泊先の大阪府まで移動してしまったのだ。こんなずさんな水際対策で東京五輪は大丈夫だろうか。

   主要メディアの報道をまとめると、こうだ。

   ウガンダの代表選手団が2021年6月19日夕、大阪府泉佐野市での事前合宿のため来日、成田空港に到着した。入国時に受けたPCR検査でメンバー9人のうち1人が陽性となった。残る8人は陰性だったため、そのままバスでホストタウンの泉佐野市に向かった。

   選手団はボクシング、重量挙げ、競泳の選手とコーチの計9人。内閣官房によると、全員が母国でアストラゼネカ社製のワクチンを2回接種していた。また出国前に2度のPCRの検査を受け、陰性証明書を持っていた。それが、なぜ陽性者が出たのだろうか。

   朝日新聞(6月20日付)「ウガンダ選手団なぜ陽性に 見えたワクチン効果・検査感度の限界」は、こう説明する。

「来日した五輪選手団で陽性が判明したのは初めて。ワクチン接種を済ませ、陰性証明書も持参した選手の『陽性』を、どう考えればいいのか。新型コロナに感染しても、初期はウイルス量が少なくて検査にかからない。今回、出国前の2度のPCR検査では感知しなかったが、移動の間にウイルス量が増えた可能性がある」
「ワクチン効果の問題はどうか。選手団は全員がアストラゼネカ社製のワクチンを2回接種していた。英国からの報告では、同社のワクチンを2回接種して2週間以上たつと、英国型の変異株(アルファ株)に対する発症予防の効果が66%、急速に拡大するインド型(デルタ株)に対しては60%あった。ファイザー社製では、この数字がそれぞれ93%、88%。いずれにしても100%ではない。また、注意が必要なのは、これらの数字は発症を防ぐ効果を表している点だ。感染自体を防ぐ効果ははっきりしていない」

   つまり、ワクチンを接種すれば大丈夫と思うのは、間違っているというわけだ。打った人の発症を防ぐ効果は一定程度認められるが、感染自体を防ぐ効果は不明で、ウイルスを持ったまま移動することまでは防げない。しかも、アストラゼネカ社製のワクチンでは、インド株に対する感染予防効果も低い。

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