人民元の「上昇」を容認しはじめた中国 これは新時代の到来か!?(志摩力男)

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人民元は6.00ドルを割り込む時代が来る!

   私自身、2021年は人民元が上昇するチャンスがあると考えていました。コロナ禍を早期に克服し、高い経済成長を維持できているからです。

   しかも、金利は3%前後と、ゼロ金利に陥った多くの先進国通貨とは一線を画しています。ただ、悪化する米中関係が最大の懸念材料となります。

   米国のトランプ政権では、貿易の不均衡が対立のポイントでした。バイデン政権ではその点は大きな問題とはならないでしょう。貿易面での対立より、ウイグル問題など、政治的な正しさをめぐる戦いとなります。

   また、中国が内需刺激を目指す新しい政策の時代に入ったからといって、輸出がどんなに不利になっても構わないと思っているわけでもありません。あくまで、内需・外需の双方の循環を大切にするという体制です。

   その意味では、現下の人民元のレベル(6.36ドル前後)は短期的に売られすぎ(ドル売られすぎ)だと思われます。いったん戻したところを丁寧に売るというスタンスが良さそうです。最終的に、人民元は6.20ドル、そしてやがては6.00ドルを割り込む時代もくるでしょう。

   対円では17.50円突破が目標となります。じつは2018年初頭の高値は17.50円であり、そこを突破すると大きなダブルボトムが完成することになります。ザクッとした計算ですが、バブルボトムのそこは14.50円台なので、ダブルボトムのターゲットは20円前後となります。(志摩力男)

志摩力男(しま・りきお)
トレーダー
慶応大学経済学部卒。ゴールドマン・サックス、ドイツ証券など大手金融機関でプロップトレーダー、その後香港でマクロヘッジファンドマネジャー。独立後も、世界各地の有力トレーダーと交流し、現役トレーダーとして活躍中。
最近はトレーディング以外にも、メルマガやセミナー、講演会などで個人投資家をサポートする活動を開始。週刊東洋経済やマネーポストなど、ビジネス・マネー関連メディアにも寄稿する。
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