【6月は環境月間】どんな小さい会社でもSDGsをはじめることができる!

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会社ですでに取り組んでいることがある

   しかし、個人や社員としての行動は、どこまで行っても個人の域を出ない。会社として取り組むには、すでに自社で行っているかもしれないSDGsの取り組みから見つけるといい、と書いている。

   たとえばエネルギーの使用量を減らす、働きやすい職場環境をつくる、などは実行している会社も多いだろう。これらは立派なSDGsの取り組みになるのだ。

   青柳さんが呼びかけているのは、「はじめるよりもやめるほうがはやい」ということだ。「ステップ3 共通コストを減らそう」が参考になる。社内のムダ、ムラ、ムリを減らすことが、そのままSDGsにつながるという。

   製品をつくり過ぎて捨てている、人を採用しすぎて時間を持て余している、余計な手を加えて過剰に品質を高めているなどの例を挙げている。さらに、SDGsのビジネスをつくる方法、顧客を見つける方法なども伝授している。

   SDGsは単なる一時的なブームではないか、と考えている人もいるだろう。青柳さんは、明確に否定している。

「SDGsはブームではなく、企業にとって『市場』変化です」

   SDGsは突然できたものではなく、長年の社会変化の積み重ねの上に成り立っているという。

   CSR(企業の社会的責任)や社会貢献活動との違いはどこにあるのか? と思う人もいるかもしれない。それらは本業とは別の独立した活動になっている、というのが青柳さんの説明だ。言い換えれば、SDGsは経済価値と社会価値とが両立する「本業」で行うものだ。

   SDGsに関する本を何冊も読んできたが、本書が最もわかりやすいと思った。これなら、どんな小さい会社でもSDGsを始めることができるだろう。(渡辺淳悦)

「小さな会社のSDGs実践の教科書」
青柳仁士著
翔泳社
1980円(税込)

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