「コロナ禍で家にいた人々」はテレビにクギ付け!
サミット開催地での急激なコロナ感染増に、英BBC放送は、「Too early for G7-related cases」(G7と結びつけるのは時期尚早だ)とする専門記者の分析を掲載していますが、英国が発表している地域毎の新型コロナ陽性数を比較しても、コーンウォール地区での「surge」(急増)は群を抜いているようです。
この地区はもともと陽性数が少なく、比較する値が低かったこともありますが、それでもサミット開催直前の1週間で「968%増」という報告が速報で流れました。確かに、まだ「時期尚早」かもしれませんが、これからサミット開催期間中の検査数を反映した数値が公表されると、サミットとの「因果関係」が明確になることでしょう。
こんななか、開催が迫る東京五輪・パラリンピックについて、米NBCテレビの幹部が「史上最高の利益が期待できる」と驚きの発言をしたと、米メディアが相次いで報じました。
Tokyo Olympics may be most profitable ever despite coronavirus pandemic
(コロナパンデミックにかかわらず、東京五輪は史上最高の利益を出しそうだ)
IOC(国際オリンピック委員会)に総額1兆円を超える巨額な放映権料を払うとされている米テレビネットワークNBCのジェフ・シェルCEOが、投資家向けのオンライン会議で放ったとされるこの発言。
「視聴率次第になる」としながらも、「これまでの五輪報道で最も利益をもたらすかもしれない」と予測している背景には、「コロナ禍で、(1年以上)家にいた人々」たちが、アスリートの活躍にこれまで以上に注目するだろう、という読みがあるそうです。
この発言を報じたロサンゼルスタイムズ紙は、「パンデミックの真っ只中に何千人もの世界のアスリートと群衆を集める」イベントの安全性に疑念を示しつつ、「NBCユニバーサルにとって五輪は、大規模な金儲けのイベントとして重要な瞬間なのだ」と、痛烈に批判していました。
関係者にとって、「東京五輪はぼろ儲け」でやめられないのでしょうか。
英サミット開催地での感染拡大が、東京五輪開催後の日本姿にならないことを願うのみです。(井津川倫子)