利益をコツコツ積み上げて一橋大がトップ 苦戦する明大、同志社大はひと休み(第3節)【FX大学対抗戦 Bグループ】

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   第3節(2021年6月7日週)に入ったFX大学対抗戦。そうしたなか、早稲田大学のNAKAMURAさんは、「中長期で『負けない』トレードをするための基盤づくり」を模索。明治大学の佐藤諒さん、同志社大学のFOXさんはマイナスを計上。「チャンスを待つ」(佐藤諒さん)。

   一橋大学のボンゴレさんは、毎日コツコツと利益を積んで、プラスを確保。慶応義塾大学の2Gさんがメンバー中、一番の利益を叩き出した。

  • 泣き笑い、くっきり……
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まずは「負けない」トレードのための基盤づくり(早稲田大学 NAKAMURA)

   FX大学対抗戦をご覧のみなさま、こんにちは。早稲田大学3年のNAKAMURAです。

   6月10日21時30分発表の米新規失業保険申請件数、消費者物価指数・(コア)付近でのエントリーを試みていましたが、下図のように「米消費者物価指数(CPI)は、前月比プラス0.6%と市場予想のプラス0.5%をわずかに上回る水準」になり、1米ドル=109.75円付近まで上昇したものの、米長期金利が低下したことに伴い反落しており、最初のエントリーは買い注文にすると決めていたうえ、何度もボリンジャーバンド+3σ(シグマ=データのばらつき具合を表す値)を超していたので、今回は控えました。

   中長期的な視点として米10年国債利回りにもしっかりと注目、分析していきたいです。

参考リンク:ソニーフィナンシャルホールディングス Daily Market Report(日次)

   消費者物価指数は5月、「2008年8月以来約13年ぶりの高さ」(「米国の物価上昇圧力続く 消費者物価、5月5%上昇」日本経済新聞 6月11日付朝刊総合面)となっており、雇用においても人手不足が見られています。

   長期金利が低下傾向にあり、日本経済新聞(同日付)は「FRB(米連邦準備制度理事会)の強い金融緩和が、米国債を持ち続けても正味の価値が目減りする状況を生み、世界のマネーをリスク投資に押し出している。」「名目の長期金利を低く抑えたまま期待インフレが一段と高まれば実質金利のマイナス幅が広がる。将来のバブルの芽を膨らませかねないほか、商品市場への一段の資金流入がインフレに拍車をかける可能性もある。」と分析しています。

   来週6月16日21時30分には住宅着工件数、建設許可件数、17日3時にはFOMC(米連邦公開市場委員会)政策金利、FRB経済・金利見通し、パウエルFRB議長の記者会見が発表され、相場が大きく動く可能性があります。

   いまだトレードができておらず、少し焦りを感じていますが、中長期では「負けない」トレードをするためにも、落ち着いて基盤を作り、テクニカル指標についてRCI(順位相関指数)かRSI(相対力指数)も試してみるべきとのアドバイスをいただきましたので、反映しつつ、落ち着いて分析・トレードを試みます。「成行+OCO(2つの注文を同時に発注。一方の注文が約定するともう一方の注文がキャンセルされる注文)」の注文で、徹底した利益確定と損切を行うつもりです。

   ◆ 児山将のワンポイントアドバイス
注目のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、予想インフレ見通しが2%台から3%台になるという変化がありました。ただ事前の消費者物価指数は強い数値となっており、イエレン財務長官がアメリカは「力強い経済回復」が起きているというメッセージを出していたこともあり、S&P500とNYダウ平均は1%程度の下げ幅にとどまりました。そして、主要通貨に対してドルが強い動きとなり、これまでの値動きの巻き戻しが進む相場展開となっています。
投資家は、アメリカの金融緩和の縮小を認め、為替市場でも金融相場の終了を見据えた方向に本格的に舵を取ってきているのではないでしょうか。

前週からの損益   プラス・マイナスゼロ
6月11日現在           100万円

早稲田大学 NAKAMURA
早稲田大学 NAKAMURA
早稲田大学法学部3年。株式投資クラブforwardに所属。経験不足で至らない点も多々あるかと思いますが、温かい目で見ていただけると幸いです。初心者なりに試行錯誤してみますので、FXに触れたことのない方や、ぼくのようにほぼ初心者の方には親近感を持って読んでいただけると思います。よろしくお願いします!

デッドクロスを発見! 思いっきり売り注文(慶応義塾大学 2G)

   FX大学対抗戦3週目。結論から言うと、今週(2021年6月7日週)はドル円で取引をした。6月10日10時過ぎ、デッドクロス(長期の移動平均線を短期の移動線が上から下に突き抜けたとき=交差したとき=をいう)を発見したので、思い切って売り注文をした。10pipsでも動けば十分だと考えていたので、同じく10日15時過ぎに買い戻し、利益を得た。15Lotで注文し、スプレッド0.2銭109.612円から109.498円の動きであったので、利益は1万6800円。

   一応手持ちのお金は1,000,000円あるが、そのすべてを証拠金にするのはリスクが高いと感じたで、15Lotで入った。

   テクニカル分析の初歩であり、今回利用したMACDとシグナルについて軽く説明したい。

◆ MACDとは
   MACDは「Moving Average Convergence Divergence」の略で、「マックディー」と読む。日本語に訳すと移動平均収束拡散となる。移動平均線を応用したテクニカルの手法で、2つの移動平均線を使用して、買いと売りのタイミングを判断することができる。移動平均線は一般的に使用されるSMA(単純移動平均線)と異なり、昨日や今日といった直近の価格の比重が重いEMA(指数平滑移動平均線)を使用する。MACDは数あるテクニカル手法の中でも比較的精度が高いとされ、特に新規売買のシグナルとトレンドの方向性を認識するのに有効とされている。
◆ MACDとシグナル
   MACDで使用される2本のラインにはそれぞれ名称があり、その計算式も異なる。名称と計算式は以下のとおりである。
   MACD(テクニカル指標の名前と同じ):短期EMA(指数平滑移動平均線)-長期EMA(指数平滑移動平均線) シグナル:MACDのSMA(単純移動平均線)
◆ MACDとシグナルが交差するところ
   見るべきポイントは、MACDとシグナルが交差する箇所である。MACDとシグナルの交差で売買サインを読み解くことができる。MACDの売買サインの見方は、移動平均線の見方と同じである。
・ゴールデンクロス:MACDがシグナルを上抜けること。買いのサイン
・デッドクロス:MACDがシグナルを下抜けること。売りのサイン

◆ まとめ
   少額だが結果として利益を出せたので個人的には喜びたい。大きな動きはなく、膠着が続いている様子だったので、逆に損失があまる膨らむ心配をしなくて済んだ。
   来週の注目材料は米FOMC会合となる。市場が荒れるようであれば、手をださないかもしれないがまずは様子見だ。

参考リンク みんなのFX 「MACD(マックディー)とは? FXトレードでの基本的な見方と上手な使い方」

   ◆ 児山将のワンポイントアドバイス
テクニカル分析を中心に売買戦略を組み、デッドクロスで利益を上げたということで、このチャートパターンについてコメントしたいと思います。

ゴールデンクロスとデッドクロスは、テクニカル分析の初期に勉強する方も多いかと思います。教科書には「短期移動平均線が中期移動平均線をクロスした時に売買を行う」と書かれているのではないでしょうか。
ただし、このチャートパターンは株式市場では勝率が高いようですが、レンジ相場の為替市場での有効性を唱える人は私が知る限り多くありません。過去に何度も検証したことがあるのですが、このチャートパターンでは大きな利益を出すことができませんでした。ただ、ローソク足が久しぶりに中期移動平均線をクロスするという条件にした場合のほうが有効だったと記憶しています。
2Gさんも、さまざまな通貨ペアでバックテストを行ってみることをオススメします。

前週からの損益     プラス1万6800円
6月11日現在        101万6800円

慶応義塾大学 2G
慶応義塾大学 2G
慶応義塾大学商学部2年。FXは高校生の頃に少し触ったが、損失が膨らみ休止。今回のFX大学対抗戦を機に学び直し、利益を出せるように励んでいきたい。

損切り貧乏に気をつけたい(明治大学 佐藤諒さん)

   私の各国指標が与える影響に対する考えは、「発表と同時にほとんどが織り込まれる」です。各国のレートは指標の発表と同時に大きく動き数分で安定します。我々が手に入れることができる情報はすでに織り込まれており、それらを参考にトレードすることはあまり意味がないと思っています。

   指標発表で織り込めなかった事象や日々の変化がチャートを動かしていると考えており、その為米国がテーパリングを始めることや各国の金融政策で現状分かっていることはすでに織り込まれている為、それを根拠にトレードすることはしません。

   また、短期トレード(ここでは数時間?1週間)ほどのトレードでは8割近いトレーダーがテクニカル分析を使ってトレードをしているといいます。力が大きいほうに動く為替相場では多くの人が使っている手法を使うのは至極当然だと思います。よって数時間?数日の取引をしようと考えている私にはテクニカル分析があっていると感じ、使っています。

   前回に引き続きCAD/JPY(カナダドル円)、AUD/JPY(オーストラリアドル円)に注目していました。各ペアの4時間足のチャートは以下のとおりです。

   どちらもどこかのトレンドラインで反発した場合はそちらに順張りをし、割った場合もその方向に順張る予定でした。どちらのチャートも金曜日深夜にトレンドラインを割っていますが、この時間は見ておらず対応できませんでした。

   もちろん来週初めにショートでエントリーしようと思います。まだどちらの通貨にするかは決めていませんが、反発が弱いほうにしようと思います。

   今週のトレードはマイナス5000円を2回で、合計マイナス1万円でした。こまめに損切りしたおかげで、この程度の損失で抑えることができました。現在の口座はマイナス11万5000円で88万5000円です。

   勝てるトレードの基本は損小利大だと思うので、どこで大きく勝ちたいと思っています。気をつけることは損切り貧乏ですが、予想が外れ続ければ多少の我慢は必要なのだと思います。今回は初回に大きく減らしてしまったため、つらい時期が続いていますが、チャンスを待ちたいと思います。

   ◆ 児山将のワンポイントアドバイス
2回の損切りとはいえ、損失は1%弱に抑えられたということでリスク管理は問題ないのではないでしょうか。
さて、経済指標の結果を早く織り込む場合は、事前に発表されるさまざまな指標や要人発言などがあり、おおよそ予想どおりの結果が出たケースでしょう。発表内容がサプライズであれば、トレンドが加速したり、他の通貨に対して強い動きとなったりします。
また、予想よりも良い結果が出ても単月では経済が動くとは考えづらく、雇用統計の場合は、翌月に数値が修正される可能性もあります。
経済指標の数値の目安としては、おおよそ3か月連続で良い数値が出れば順調な経済成長であると認識されるようですので、参考にしてみてください。

前週からの損益     マイナス1万円
6月11日現在      88万5000円

明治大学 佐藤諒(さとう りょう)
明治大学 佐藤諒(さとう りょう)
明治大学商学部2年。投資歴2年。よくトレードするのはUSD/JPY(米ドル円)。東京在住です。

リスク分散の重要性を実感(一橋大学 ボンゴレさん)

   今回も日記形式で日々の取引内容を書いていきます。

◆ 6月7日(月)【スワップ損益 プラス51円】
   米ドル円は保有しているすべてのポジションに利益確定ラインと損切りラインを設定したため、あとは見守るのみという状態である。証拠金維持率が大幅に下がったときや他の通貨ペアを取引したいと思ったら、利益確定ラインよりも下であっても売るつもりだ。
   他の通貨ペアをどれにするか考えた結果、カナダドル円に挑戦することにした。カナダドルは米ドルを後追いする傾向があると聞いたことがあり、米ドル円を保有している私にとって比較的考えやすい通貨だと思ったからだ。
   カナダ中央銀行が4月に国債の買い入れ目標減額でテーパリング(量的緩和の縮小)に移行したことによる上昇基調が当分続くと考えたことも理由の一つである。1カナダドル=9万500円で買いの指値注文をし、午後に約定された。

◆ 6月8日(火)【スワップ損益 プラス57円】
   1ニュージーランド(NZ)ドル=7万9000円で買いの指値注文を行った。オーストラリア(豪)ドルとNZドルのどちらを保有するか迷ったのだが、NZのほうがワクチン接種率に伸びしろがあると考え、NZドルに決めた。長期間保有するつもりのため、多少の値動きにも対応できるよう損切りラインは78.0円とした。

◆ 6月9日(水)【決算損益 プラス3000円、スワップ損益 プラス144円】
   NZドル円が下降していることに驚きつつ、1NZドル=78.5円で買いの指値注文を追加で行った。NZドルの取引で低下した証拠金維持率を高めるため、1米ドル=109.550円で3万通貨分売り、3000円の利益を得た。

◆ 6月10日(木)【スワップ損益 プラス48円】
   NZドルとカナダドルの低下で評価損益が大きくマイナスとなっていたことに動揺した。米ドルでプラスだったため、すべてのポジションを合計するとプラス・マイナスゼロとなっていたことがせめてもの救いだ。リスク分散の重要性を実感すると同時に、米ドル円の保有比率を当分は50%前後に保つべきだったのでは、と少し後悔した。

◆ 6月11日(金)【スワップ損益 プラス72円】
   NZドルが78円台前半まで下がり、78.5円の指値注文が約定されていた。月曜日に約定した79.0円のポジションが早くも損切りライン(78.0円)に触れないかが目下の心配事だ。損切りラインを動かさないことをルールとして自分に課しているので覚悟しつつ眠りについた。

   ◆ 児山将のワンポイントアドバイス
他の人と違い、分散トレードで臨むボンゴレさん。リスク管理を徹底し着実に口座を増やす姿勢が見てとれます。全体感を把握しポジションを保有することで、自身の取引する通貨ペアが他と比べて良いか悪いかを把握しやすいメリットがあるかと思います。豪ドルとNZドルは迷うところですが、AUD/NZDという通貨ペアを見ることで、直近はどちらが強いのかシンプルに把握することもできます。
さて、今週はドルが大きく伸びた週のため、どのようになっているのか来週の報告が楽しみにしています。

前週からの損益     プラス3372円
6月11日現在      102万4990円

一橋大学 ボンゴレ
一橋大学 ボンゴレ
一橋大学商学部2年。ふだんはファンダメンタルズ分析を通じた株式投資を勉強しており、FXは今回が初めてです。FX大学対抗戦を通じて実力をつけたいと思っています。
神奈川県出身。

トータルでまだプラス!(同志社大学 FOX)

◆ 今週(2021年6月7日週)の為替相場の振り返り
   今週は木曜日(6月10日)にユーロのECB(欧州中央銀行)理事会やアメリカのCPI(消費者物価指数)があったことにより、木曜日日(10日)までそこまで値動きはない相場が続いていました。
   結果としてECB理事会ではラガルドさんが基本ハト派ですが、少しタカ派のような発言もしていた印象です。そして、CPIは結果として予想より良くて、クロス円の状況につながりました。ポンド円やポンドドルはCPI発表までは伸び悩んでいました。しかし基本、英国はタカ派を示しているのでCPIの結果からポンド円は上昇が強かったです。

◆ 実際の取引
   スイングトレードとしては先週からニュージーランド(NZ)ドル円をロング(買い)していたのですが、今週も厳しい相場となりました。1NZドル=78.93円の時に入って先週から持ち越したのですが、CPIの結果的に全体的なクロス円の上昇があり、ここから上方向に向かっていくかと思われたのですが、ドル円の上昇に伴い、オセアニア通貨はすこし弱含む形となりました。
   CPIの結果から一時的にはプラスになったのですが、週末に効率的な下落を見せていたので、金曜日(11日)に78.62円で損切りしました。運良くロットはそこまで張っていなかったので、マイナス3100円とトータルでまだプラスなのでよかったです。
   しかし、長期的な目線としては、クロス円はまだまだ上なのでもう少し様子を見たうえでロング(買い)でのエントリーを狙いたいと思います。

   ◆ 児山将のワンポイントアドバイス
6月7日週は、どの国の経済も回復基調であるものの想定どおりで、すでに市場に織り込まれていることが値動きに表れているようです。
16日のFOMC(米連邦公開市場委員会)後には、ドル高が鮮明となり特にカナダドルとユーロに対して大きく買われることとなっています。ただし、ドル円は上げ幅をほぼ埋める展開となっており、円を買う要素があるのか? と少し悩ましい展開となっています。自粛解除が決まりつつあることが要因でしょうか。ドル高の動きが続くのかどうかが、今後の焦点ではないでしょうか。

前週からの損益    マイナス3100円
6月11日現在      101万2040円

同志社大学 FOX
同志社大学 FOX
同志社大学経済学部3年。好きな言葉は「人の行く裏に道あり花の山」。ワンピースと宇宙兄弟好きです。投資経験はほぼなく、初心者。20歳になって少し経って取引口座を開き、FXを初めて3か月目くらい。資金をゼロにしないようにしたい。
福岡県出身。
◆100万円増額計画 FX大学対抗戦のルール
・元本100万円のデモトレードです。
・通貨ペアはクロス円取引とします。
・レバレッジは25倍を上限(法令に基づく上限)とします。
・取引の過程で資産が「ゼロ」(元本割れ)になった場合は、その時点でリタイアとなります。
・順位は、11月26日時点の運用損益で決めます。
学生投資連合USIC

「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
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