コロナ禍で非接触化やリモート化が重視され、企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させているなか、こうした動きに若い世代の転職希望者らが敏感に反応し、希望する職種に「IT・通信・インターネット」を選ぶ傾向が強まっている。
就職情報サービスの株式会社学情の「転職における希望業種・希望職種」についての調査でわかった。6月8日の発表。
希望の職種「営業系」が半減
調査によると、転職時の「希望業種」を聞くと、「IT・通信・インターネット」が34.0%で最多。学情がコロナ禍前の2020年1月に行った調査では10.1%で、1年以上続くコロナ禍の中で、その割合は3倍になった。
「IT・通信・インターネット」を選んだ理由として、「今後より伸びていく業界だと思う」、「成長している業界でスキルを身につけたい」などの声が寄せられており、学情では「成長している業界に転職したいと考える20代が多いことが示された」とみている。
2位は「メーカー」(14.5%)、3位は「デザイン」(10,9%)だった。
20年1月の調査では、商社(18.1%)、メーカー(15.8%)、サービス(10.6%)がトップ3。今回の調査では、商社は7.6%で4位、サービスは5.3%で5位だった。
「希望職種」については、「企画・事務・管理系」が37.0%で最多。20年1月調査の31.0%から6ポイントアップした。次いで「「ITエンジニア系(SE・システム開発・インフラ)」(20.1%)、「クリエイティブ系」(15.8%)と続いた。
学情は「テレワーク可能で臨機応変に働けそうな職種や、スキル習得が可能な職種への人気が高くなっている」と分析した。
20年1月調査では、「企画・事務・管理系」(31.0%)、「営業系」(18.1%)、「クリエイティブ系」(14.5%)などが上位を占めたが、今回の調査では「営業系」は8.9%と半減した。
なお調査は、2021年5月11日~6月1日に、20代専門転職サイト「Re就活」の利用者を対象に実施。303人から有効回答を得た。