エルサルバトルがビットコインを法定通貨に(明治大学 akiさん)
こんにちは。明治大学のakiです。
5月は下落幅の大きいビットコインでしたが、6月9日のあるニュースにより、少し持ち直したのではないでしょうか。
◆ 「法定通貨にビットコイン、エルサルバドル 世界初」
中米エルサルバドルの議会は8日、代表的な暗号資産(仮想通貨)のビットコインを法定通貨にする法案を賛成多数で可決した。ビットコインの法定通貨の採用は世界で初
出典:「日本経済新聞 法定通貨にビットコイン、エルサルバトル 世界初」(2021年6月10日付 日本経済新聞朝刊9面)
エルサルバトルでは、移民として外国で働く労働者からの送金をしやすくするため、暗号通貨を法定通貨として用いるそうです。送金のしやすさは暗号通貨ならではの利点であり、個人での利用としては良いと思いますが、国として価格変動の大きい通貨を法定通貨と認めることはさまざまな課題が懸念されます。
日本円と米ドルの価格は毎日変動していますが、動いたといっても1円程度の値幅しかありません。1ドル110円と仮定すると、1円の値幅は0.9%と約1%程度です。
しかし、今週のビットコインの値動きのうち、10日のみの値動きに注目してみると、高値と安値の差は9.6%、約10%と、従来の法定通貨同士の10倍の変動差があります。 この法案に加え、エルサルバトルではビットコインのマイニングを国の規模で行うと発表しました。暗号通貨のマイニングのための消費電気量の増大が環境への負荷をかけると発表して暴落した暗号通貨ですが、エルサルバドルのマイニングはその点も配慮しているそうです。
ブケレ大統領は、国をあげてのマイニングには国営電力会社の地熱発電由来の電力で行うよう指示しました。
これまで、ビットコインを代表とする暗号資産は、手元に置いておき価値を生み出すものとしての認識が大きかったと思います。ですが、今回のニュースで暗号通貨が法定通貨として用いられることで、現実の買い物や生活に密着した使われ方をする未来が近いのだと感じました。 今週の取引は、マイナス41円。総資産は9620円。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
日米欧の法定通貨は安定していますが、トルコや南アフリカ、メキシコなどの国内FXでも取引できる新興国通貨は値動きが激しい傾向になります。南アフリカランドは、過去10年間で下落し続けていますし、トルコリラは2008年からの13年間で9分の1になりました。
それらの通貨と比較すると、1日で10%、1年間あれば一度は対ドルで半値以下に落ち込むけれども、長期的に上昇しているビットコインは、魅力的であるのかもしれません。
送金手数料が気になりますが、国民全員が利用でき得るとなるとLightning Networkが成り立つため、瞬時にごく小額の手数料で済む送金や決算を行なうことができます。
もし、この社会的実験が成功すれば、インフレヘッジとして価値の保存面で注目されてきたビットコインに、送金・決済面での利用も劇的に進む可能性がありそうです。
保有する暗号通貨 ビットコイン
前週からの損益 マイナス41円
6月11日現在 9620円
◆ 大学対抗 1万円からはじめる暗号通貨バトルのルール学生投資連合USIC
・元本は1万円です。
・投資する暗号通貨の選定は自由です。ただし、国内で購入できる暗号通貨に限ります。
・レバレッジは、かけられません。
・20%を超えて下げた場合は、強制的に取引を停止(ロスカット)します。
・元本割れは1回まで。リベンジ(再投資)可能ですが、2度、資産(合計で2万円分)を失った場合は、その時点でリタイアとなります。
・順位は、11月26日時点の運用損益で決めます。
「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
http://usic2008.com/