ビットコイン反発 でも、ちょっと待った!(同志社大学 しがないトレーダー)
◆ 今週(2021年6月7日週)の気になったニュース
2021年6月9日15時20分頃、歴史的な大事件が起きた。アメリカ時間、6月4?5日に行われた、世界最大級のビットコインカンファレンス「Bitcoin 2021」で、エルサルバドル共和国のナジブ・ブケレ大統領が、ビットコイン(BTC)を「法定通貨」として採用するための法案を議会に提出する方針であることが発表された。
その後、6月9日15時20分頃、エルサルバドルで、ビットコインを法定通貨として採用する法案が議会で可決された。このニュースは、たちまち世界中で旋風を巻き起こした。
発展途上国のエルサルバドルでは、金融インフラが弱いため、国民の約7割が「銀行口座」を持ってないという。GDP(国内総生産)の多くは、国外の労働者の仕送りが占めているため、ビットコインの送金システム、「Lightning Network」は、需要が高いと考えられている。
このニュースの影響により、3万ドル付近にまで下落していたビットコインは、反発し、一時3万8500ドルほどまで上昇した。
6月10日、エルサルバドルのブケレ大統領は、LaGeo(エルサルバドルの国営地熱発電会社)に火山熱を使ったビットコインマイニングを指示したというツイートをした。また、火山発電は、安価であり、クリーンで再生可能なエネルギーとツイートでアピールした。ビットコインの環境問題が大きな反響を呼んでいる中、火山熱によるビットコインマイニングは興味深いと感じた。
◆ 今週の取引
今週こそは、エルサルバドルのニュースでビットコインが4万ドルを超えると期待していたので、本格的に取引をしようとしていた。しかし、結局4万ドルを超えられず、3万4500ドルほどまで戻してしまった。現在、好材料だけだと思いがちだが、先週の記事の児山さんのアドバイスにもあったとおり、中国・青海省のマイニングを禁止の報道や、中国のインターネットで仮想通貨取引所が検索できなくなっていること、ハッシュレートの急低下といった悪材料がある。
結局、ビットコインは3万ドルから4万ドルのレンジ相場続きなので、今後の相場を予想し、取引をするには、このレンジ相場を抜ける必要がある。相場打開を待つのみだと考える。
また、今後のエルサルバドル共和国の動向に注目したい。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
エルサルバドルの決定に対して、国際機関や国家がどう反応しているのか。つまり世界がそれを認めるのか否かが、今後の流れを決めると感じています。
投資家はポジティブに捉えているようで、議会で決定した直後にビットコインは急騰。24時間で50万円ほどの上昇を演じました。国際決済銀行(BIS)の幹部は、「興味深い実験」と発言。ただし、ビットコインは投機的な資産であり、決済手段としての基準を満たしていないと認識と語りました。国際通貨基金(IMF)は、「ビットコインの法定通貨採用は、マクロ経済、金融、法律上、多くの問題を提起したことから非常に慎重な分析を必要とする」とコメント。同国でビットコインが法定通貨として利用されるのは90日後の9月から。その際に、どういった問題が出てくるのか、非常に興味深いところですね。
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
6月11日現在 1万円
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