日常的な予防を図る(やり方を変える)
(1) 傾聴と対話で、自己開示し合える関係をつくる
相手に人として寄り添うには、上司の側からコミュニケーションのやり方を変えることがスタートラインです。一度、落ち着いた面談の場を設け、傾聴の姿勢で相手の経験や思いをじっくりと聴き、受け止めます。
また、上司の側からは、自分の仕事上の試行錯誤や悩みも語り、プライベートな話題もできる範囲で自己開示をします。立場を超えた人間同士の関係は、安心と信頼の基礎になります。まず、この関係を築き、心を開き合うことが第一歩です。
(2) キャリア自律を目標に、長い目での支援を行う
面談での対話とその後の打ち合わせで、年上部下の持ち味や強みを発掘できたなら、これを本人の今後のキャリア自律のために磨く視点で仕事の目標を立てましょう。CASEの例なら、本人が担う競合サービス調査の仕事を、顧客や組織への貢献と同時に、本人の第二のキャリアにどう生かすか、本人の自己啓発要素も組み込み、計画し、支援します。
同じ仕事であっても、意味を感じられない孤独な取り組みか、応援してくれる上司のもとでの自分の将来のためのステップか、本人の納得感しだいで、意欲も成果も大きく変わってくることでしょう。(前川孝雄)
※ 職場のハラスメント予防についてさらに詳しく学びたい方、また職場での研修導入を検討される方は、弊社FeelWorksが開発した「eラーニング・上司と部下が一緒に学ぶ パワハラ予防講座」をご参照ください。