「菅首相の支持率と五輪開催派は同じ割合」
この調査について、ネットではこんな意見があふれている。
「東京五輪を無観客なら開催してもいいと思っていたが、政府は観客を入れることにこだわっているので、中止・延期というしかないという結果だと思う。観客を入れると感染リスクが上昇するので、政府はそのデメリット以上に得られる価値がある理由を明示すべきだ。企業にテレワークを推奨しておきながら、観客を入れることはまったく理解できない」
「企業サイドでも五輪実施には否定的な立場が多くなっています。それでも実際に強行して、結果的に企業にもマイナスの影響が出たら、日本経済団体連合会や日本商工会議所は、菅政権と自民党を見限って、政治献金をやめるとよいのですが......」
「企業の声は自民党にとっても無視できないはず。企業は社会的責任においても、黙っていないでもっと声をあげるべきだ」
「企業でも4割弱が五輪開催派ですか。菅政権の支持率と同じくらいか、と感じました。東京五輪も菅政権も、まだそれほどの支持率があることにビックリです」
「これ、企業に対するアンケートだから国民の意識と逆だと思う。海外客が来なくなりインバウンドがなくなった。つまり五輪での売上増が見込めなくなったので、それなら中止のほうがよいという考え方。むしろ観客をいっぱい入れて、海外客もバンバン呼ぶなら開催賛成派が大多数になりそう」
ある会社経営者からは、こんな声が。
「経営する立場としては、順調にワクチン接種を進めて経済活動を再開してほしい一念だ。ここで東京由来の変異株など生じたら、今でさえ世界から周回遅れの日本経済が地に落ちる。日本が致命的な政治の失敗をしている間に、世界は大きく変わった。資材価格は上昇し、インフレ懸念が高い。欧米は中銀の資産圧縮が始まろうとしている。もうすぐ日本では、モラトリアムのお祭り騒ぎをするようだが、祭りの後に企業にとってのメリットはありそうもない。オリンピックなど本来やっている暇はない」
「運送業です。『中止や無観客となった場合の経営への影響』。この質問は正直難しい。観客を入れようが入れまいが、開催されれば配送業務に多大な影響が出る。現場業なので、テレワーク7割と言われても業務に支障がでる。さらに感染再拡大で4回目の緊急事態宣言が出た日には、今度こそ会社がもたない。さりとて、中止すると、他に景気浮上策があるわけではないので、景気がいつ復活するのか先が見えない。もうどっちに転んでも、当面明るい未来が描けないという意味では、答えにくい質問ですよ」
最後にこんな声を紹介したい。
「もう何が何でも東京五輪開催の流れのようだから、このアンケート調査もあまり意味がないと思う。6月25日告示の東京都議会議員選挙は、自民党が嫌がっているが、東京五輪開催が争点。最後のチャンスだ。よく考えて投票しよう」
(福田和郎)